あと5kgがやせられないヒトのダイエットの疑問50 太りやすい体質ってあるの? 部分的にやせることはできる? (サイエンス・アイ新書)
- 作者: 岡田正彦
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2009/06/16
- メディア: 新書
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こないだ大学友人Sに「ソフトバンクの新書が面白い」と言われ、上野駅の本屋に寄ったら、この本を見つけた。まともそうなので買ってみた。
著者は医学部の教授。ダイエットの学説を解説している。参考文献が挙げられており、今まで読んだダイエット本の中で一番まともだった。
普段の指導で言われてることがそのまま書かれており、ダイエットの5原則として以下を挙げている。2週間に0.5kgずつ減量する。炭水化物、たんぱく質、脂肪を必ず摂る。野菜、果物を多くする。塩分を減らす。動物性脂肪を避ける。
以下に忘れないためにメモっておく。
メタボリック症候群は代謝異常を指し、三大成人病である高脂血症、高血圧症、糖尿病のリスクが高まる。メタボの基準には腹囲が使われるが、疑問だらけであり世界保健機関は使っていない。
死亡率と関係があるのは、腹囲や体脂肪率ではなく、BMIである。BMIは体重/身長/身長で計算される。BMIが24のときに一番死亡率は低くなる。
体重は1か月で1kgずつ落としていくのが理想。多くとも2kgまで。
太るか痩せるかはカロリーバランス次第。人間が1日に使うカロリーは基礎代謝と運動に使った分である。
ダイエット中は炭水化物、たんぱく質、脂肪のバランスを崩してはいけない。エネルギー変換がうまくいかなくなる。
運動は健康を維持する上で絶対に必要なもの。血糖値や中性脂肪を早く下げる唯一かつ最善の手段である。運動をしている人の方が圧倒的に長生きをしている。運動にはリバウンドを長期的に抑える効果もある。
運動を長続きさせる秘訣は以下のとおり。目標を高くしない。ゆっくり始める。いろいろやる。楽しくやる。目標を決める。仲間を作る。日記をつける。自分にご褒美を。
太るといいことがない。まず脂肪肝。脂肪肝は肝臓の細胞の30%以上に脂肪滴が認められる状態。また動脈硬化症。コレステロールが血管壁にたまることで血液が固まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす。またがんにもなりやすい。体内に過激分子ができやすくなり、遺伝子を傷つけがん細胞になる可能性が高くなる。
血圧を下げるには塩分を抑えること。塩分摂取量の目安は1日6g以下。即席ラーメンは6gで一発アウト。またカリウムを摂取すればよい。海藻、豆類、しいたけなど。
1日に取っていいコレステロールは300mg以下で、卵黄は250〜300mgなので1日に1個以上食べない方がよい。魚卵もアウト。
中性脂肪対策として、脂肪酸の多い動物性食品、例えば牛肉や豚肉の脂身、鶏肉の皮、ベーコン、ソーセージ、バターなどを避ける。
炭水化物では、ブドウ糖に変化するまでの時間が早い食品ほど太りやすい。パンよりごはんがよく、さらにパスタがよい。甘いものでは果物もよい。
実は学術的に正しいことを証明するには何千人のサンプルを調べなければならず、個人差もあり実験条件をそろえることが難しいので、結局のところよくわからないのである。では、この本の元になった根拠は何かというと、数々の世界の論文を読んできた著者の経験だそうだ。確かに読んでると、やたらと運動にこだわり、巷にあるダイエット法にダメ出ししまくっている感じがする。
2日で読める。2回読んだ。大事なのでもう1回読む予定。ダイエットを考えてる人には基本的な知識がわかるのでお薦め。