- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/08/16
- メディア: 新書
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2007年にこの本が出たときには、いかにも狙いすぎという感じがして回避したが、後にこの本の続編となる「レコーディングダイエット決定版」を読んだときには、内容の科学的な分析にぶっとび、それから岡田氏の本を読むようになった。この本の内容は「レコーディングダイエット決定版」と同じだろうとは思ったが、ダイエットの意識づけになればと思い購入した。
岡田氏は、現代は「見た目主義社会」であると提唱している。デブが一番損をしている点は、見た目だけで悪いイメージをもたれてしまうことである。デブは何をしても、デブが何を言ってるんだと思われてしまうわけだ。デブのイメージを覆すには基本的にダイエットしかない。
レコーディングダイエットとは、摂取カロリーを基礎代謝と同じにし、一日に口にしたものすべてのカロリーと体重を記録することである。記録することで科学的な分析が可能になる。レコーディングダイエットは次の6つのフェーズに分かれている。
一、助走。普段食べているものと体重を記録する。このフェーズでは食べる量を減らす必要はなく、現状を把握するのが目的である。
二、離陸。カロリーを計算する。何が原因がわかってくる。
三、上昇。実際にカロリーを制御する。食べ過ぎた場合は次の日でフォローする。
四、巡航。2か月から3か月経つと全力で身体が拒否反応を示しだす。これは身体の恒常性によるものである。2週間程度かけて身体はプログラムを書き換える。対策としては、摂取カロリーはキープしつつ、他のダイエット法を試すなどして気を紛らわせる。過去の記録が自分を励ましてくれる。
五、再加速。身体の要求や満腹感を意識する。この頃になると好みが変わってきている。
六、軌道到達。カロリーを計算しなくても、身体からの空腹のサインで食事を自制できる。
分析的な手法や気持ちの持っていきかた、表現力が素晴らしい。頭脳明晰でキレのある文章。ひたすら明るくて前向き。俺たちは太る努力をしていたんだ。痩せることをゲームとして楽しもう。思わずダイエットしたくなる説得力がある。
ただよく考えると違和感も。私の経験では痩せても、周りの評価は変わらなかった。岡田氏は50kgも減らしたから評価が上がっただけでは?それに最初の動機として、普通の人は周りの評価のために痩せようとは思わないよね。この理由は後付けですよ。やっぱり痩せたいのは健康になりたいからですよ。
またダイエットの最大の難関はダイエットの継続と身体の拒否反応。冒頭にもダイエットの失敗原因として挙げられている。どんなダイエット本でもそこは触れられてないので、そういう意味では評価できるが、巡航フェーズの対策はどこか弱い。結局、本人の強い意志で乗り越えるしか?
2日で読める。3回読んだ。実践しないと理解したうちに入らないので、一度試してみようと思う。これからやってみようと思う人はフェーズを一つずつ実践しながら読んだ方がいい。そしてくじけそうになったら読み返すようにした方がいい。この本はダイエットをしてなくても、とても面白いと思う。機会があれば、騙されたと思って読んでみて欲しい。