びーの独り言

どこいくの?どっか。

2013/04/16(火)「秘密」

 夕方、突如将軍様がやってきて「時間ができたからやるか」と言われた。英語の秘密保持契約の件である。急に言うなよ。段取りがあるだろ?同席を頼んでいた弁護士のおばちゃんがいなかったが、Hさんと説明することになった。
 最初はこのテーマをどう進めるんだという話になった。予想はしていたが、実に厳しいものだった。ただ答えていたのはHさんだった。私がほとんどフリーズしそうな質問をHさんは確実に答えていった。それはとても見事なものだった。意外だったのは、私が感じてる開発のジレンマを将軍様も感じていることだった。
 例えば、新しい加工装置を購入しようとする。その装置を買えば他の会社でも製品を加工できる。それでは、うちの製品の差別化ポイントはどこだろう?答えは、装置を購入してから改造したり、秘伝の配合を見つける、もしくは加工ではないところに差別化要素を盛り込むしかない。本案件は装置が億単位になるので簡単には買ってもらえない。だから加工じゃない他のところにオリジナルの技術を付与しなければいけないが、それが頼りないから超困っている。立案時には、限りなくウソに近い売り上げ予測をしなければならないだろう。これって、若き日の私がもっともイヤだと思っていたことだ。
 さて、秘密保持契約書の説明に入ると、Hさんは「弁護士の先生がいないと理解しにくい箇所がある」と言った。将軍様は「担当者は説明できるよな」。やっぱりそうくるか。揉めること必至と覚悟したが、現世では一生懸命説明したおかげかすんなりと終わった。準備した甲斐があったようだ。
 20時、丸の内「そじ坊」で本社のNさんと飲んだ。こないだ借りたイノベーションの本を中心に、会社の老害について語り合った。こういうことを話せるのはありがたい。ヒートアップして飲みすぎてしまい、帰るのがすごく辛かった。