- 作者: 金子哲雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 単行本
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流通ジャーナリスト金子哲雄さんのエンディングダイアリー。ヤフーの見出しで亡くなったという記事を見て初めて、金子さんのことを知った。ネットでは見事な死に方だと話題になった。人は必ず死んでしまう。もうすぐ死ぬというときに何を考えていたのだろうか?因みに金子さんは私と同学年である。
金子さんは、主婦の目線からお得な買い物のやり方を解説することで、昼間の番組などに出演していた。誰しも安くいいものを買いたい。店側もいいものを売りたい。それを橋渡しするのが金子さんの役割だった。徐々に仕事が増えて成功を掴みそうになったとき、咳が止まらなくなった。病院で調べると、肺カルチノイド。すでに末期で手の施しようがなかった。
この本では、金子さんが自らの生涯を振り返つつ、闘病生活について書いている。この本が書かれた状況は、危篤状態に陥りながら持ち直したまさに最後のときであった。金子さんは最後のときまで前を向いて進もうとしていた。人はここまで強くなれるものなのか?
想像を絶する葛藤や痛みとの戦いがあっただろう。「頑張ってるのに、頑張れ、とは言って欲しくない。」「迷惑をかけたくないから自殺したい」。人はなぜ生きるのだろうか?苦しみや悲しみの先にあったのは、あらゆるものへの感謝の気持ち。まさに仏様の様であった。
1日で読める。すごく読みやすかった。行間から金子さんの無償の愛を感じる。素晴らしい人だったに違いない。他の本も読みたくなった。この本はお買い得です。