びーの独り言

どこいくの?どっか。

2012/08/16(木)年休「旅行8」

 中学生のとき地元の塾に通っていて、白衣を着てクールでイケメンの先生がいた。その先生とはほとんど雑談はしなかったが、あるとき「岐阜に郡上八幡というところがあり、そこでは一晩中踊り続ける。凄いから一度見た方がいい」と言われた。あれから25年、今年のGWに郡上八幡に降り立ったとき、徹夜おどりへの想いは強くなった。徹夜おどりは8/13〜8/16に行われるが、いつも夏は北海道に行っていて、参加することができなかった。今回ようやく中学生以来の疑問を解決することにした。
 岡山―相生―姫路―米原―大垣―岐阜―美濃太田郡上八幡
 岐阜駅でコインロッカーに荷物を預け、必要なものだけランシューを入れてる巾着に詰め込んだ。期待と不安の入り乱れたスタートだった。
 美濃太田1422発の長良川鉄道に乗った。今日は特別に2両だった。激混みを覚悟したが、余裕で座れて一安心。山間の河岸段丘に田んぼが広がり、川はエメラルドグリーンで流れは早い。どれも日に照らされて生き生きとしている。私はこの線が大好きだ。
 郡上八幡では甚平と下駄を買った。甚平を着て下駄を履いて町中をぶらぶら。慣れない下駄がからんころんと音を立てた。正直なところ歩きづらく、特に鼻緒のところが痛かった。しかし、下駄は踊りに必須だった。
 甚平と下駄を買ったため荷物が増えた。観光案内所で手荷物預かりについて尋ねたら、やっていないと言われた。でも、コインロッカーがあるとのこと。事前情報だと全く宛てにしてなかったのだが、全部空いていた。
 20時スタート。道の真ん中に移動式の櫓が置かれ、そこに奏者と歌い手さんが座った。踊り手は櫓を中心にして道の端に沿って細長い輪を作った。最初踊らずに様子を見てたが、見ているだけじゃどうにもならないので、すぐに輪の中に飛び込んだ。見よう見まねでもぜんぜん大丈夫だった。やがてほとんどの人が踊っていた。若い人がかなりいることが意外だった。みんな何を思って踊っているのだろうか?私は子供の頃の盆踊りを思い出し、とても懐かしかった。踊りには日本人としての魂に訴えかけるものがある。踊ることは、みんなが時間と空間を共有し、しかも身体を使って体感する行為である。人類普遍のエンターテイメントなのかもしれない。思わず甲子園の六甲おろしを思い出したりw。気がつけば24時。4時間も踊っていた。何度も下駄で地面を蹴るので足の裏が痛かった。何度も手を打つので手のひらが痛かった。何度も腕を上げるので肩がだるかった。何度もステップを踏むので腰が痛くなった。一度休憩して、再び踊ったが、痛みはどうしようもなく26時に撤収した。もっと若いときに来ていたら、最後まで踊ったのに?不思議なことにコインロッカーは余っていた。身体中が汗でベトベト、トイレで着替えた。最後の28時まで見届けた。ラストは最初よりも盛り上がっているように見えた。その和の中に入れなかったのが少し悔しかった。
 中学生から気になっていたことは遂に解消された。想像よりも熱気があったりコンパクトだったり。百聞は一見に如かずとはよく言ったものだ。体験型イベントはインパクトが抜群、新たな旅ネタができた。また来たい。