びーの独り言

どこいくの?どっか。

2010/08/29(日)「旅行2」

 「はまなす」は無事に札幌に到着した。道中マナーの悪い人が複数いてイヤな気分になった。大体マナーの悪いのはじいさんばあさんである。夜行列車にはマナーの悪い人が多いような気がする。安いからこんなもんだろうか。
 札幌―石狩当別新十津川・・・滝川―深川―留萌―増毛。
 今回の旅には目的が少なくて日程作成に苦慮しているのだが、当初より増毛に泊まるというのは決めていた。GWの江別に誘発されたアイディアだ。増毛と言えば2年前に一瞬立ち寄ったことがある。そのときはルートセッティングに苦慮した。そのルートを昨年大学友人Sも選択していたのが面白かった。今回も同じルートをなぞることにした。
 札沼線は2回目。札幌への通勤路線でもあり、超ローカル線でもある。札幌近郊の本数は多いが、石狩川を越えてから急に畑だらけになる。本数はJR最小の3本。というわけでこのローカル区間はいつまで存続するかわからない。したがって、無くなる前にできるだけ乗ることにした。車中で札幌駅で買った「鮭めし」を食べた。これは私のお気に入りである。石狩川を越えて石狩当別からは4両が1両になった。以外にも座席がそこそこ埋まるくらい混んでいた。ひたすら進行方向右側に畑が広がっており、同じ景色が続いて退屈だった。ほとんど乗降もなかった。私が社長ならこの区間は廃止にするだろう。終点の新十津川駅は2年前の記憶以上にホームも駅舎もぼろぼろだった。他の駅よりは家は多そうだけど、乗る人はいなかった。ここで降りた10人はマニア決定。私はちょっと違うんだよと、写真も撮らず少し離れたバス停に一直線に歩いた。交差点のコンビニの脇にバス停がありすぐにバスが来た。
 滝川から深川は別料金700円を払い特急を利用することで2時間節約できる。深川からは留萌本線。留萌から先は海岸沿いを寂しい漁村を縫うように走り、ひなびた感じがいかにもローカル線ぽい。終点増毛には12時半に到着。線路の途切れ方がもうこれ以上進めませんと言わんばかりの潔さ。ここは稚内根室よりも終点のイメージだ。
 宿は携帯で調べた「ぼちぼちいこか増毛館」にした。ここは相部屋で少し安い宿だった。2食付で4900円。相部屋なんて宿があるなんて知らなかった。面白そうだから泊まることにした。荷物を預けにいくと若いおかみさんが出てきてきさくな感じで安心した。昼食と観光スポットを教えてもらった。
 昼食は「すが宗」、増毛は寿司が有名でここは人気があるらしい。海鮮丼を頼んだら、おいしかった。ただ私の求めている感動とは違った。ウニ丼にすべきだったか。それとも余市の「かきざき水産」に行かなきゃだめか。
 増毛と言えば国稀酒造らしい。酒蔵があって試飲ができる。建物の作りが江差の中村家や横山家と似ている。両方とも鰊漁で栄えたのと関係あるのだろうか。さて、日本酒党ではない私だが、係りのおばさんの「お兄さん全部飲む?」の声に押され、甘口から辛口までの約15種類を飲んだ。どれもとてもおいしくて、つい3本買ってしまった。飲む度に増毛のことを思い出すのだろう。
 本間家は明治以降増毛を支配した商人である。鰊漁を中心に栄えた。この建物は老朽化が進んでいたが、増毛の歴史を伝える建物ということで、観光スポットとして蘇った。国稀酒造の社長は本間家の4代目であり町長をやっているようだ。
 元陣屋は江戸時代末期に増毛に作られた軍事拠点。宗谷が寒すぎて越冬できなかったので、冬は増毛に駐留していたらしい。ここでは増毛の歴史が解説されている。
 増毛小学校は築80年の木造校舎であり観光スポットにもなっている。ちょうど父兄のイベントをしており、若い女性の先生に声をかけられた。増毛の女性はきさくな感じがする。
 宿に戻ると学生さんと年輩のAさんとBさんと同宿であることがわかった。Aさんの車に乗ってみんなで近くの温泉へ行った。Bさんによれば、こういう宿は「とほ宿」と言うらしかった。「とほ宿」のご主人も旅人でリーズナブルな値段と旅人どうしの交流を目的としてるらしい。温泉から帰ってくると夕食だった。値段以上のおいしい料理をいただいた。そのあとは延々と語り合った。Aさんは50歳で会社を辞めて毎年北海道に来るらしく、今回で9年目とのことだった。Bさんはお金を貯めては毎年2、3か月は北海道に来るらしく、20年近くのキャリアがあるそうだ。またご主人とは長い知り合いとのこと。学生さんは札幌からヒッチハイク稚内を目指していたところ、Bさんに拾われたらしい。AさんやBさんに比べれば、私なんてひよっこだった。趣味が同じ人たちってすごく面白い。年齢も違って初めて会うはずなのに。疲れてきたなあと思う頃、ご主人のお話が始まった。最後はギターを持ち出して歌い始めた。ご主人は本当に旅人と接するのが好きなんだなあと思った。時計は24時を回っていた。