びーの独り言

どこいくの?どっか。

2008/01/03(木)祝「旅行②」

 熊本−八代−人吉−吉松−隼人−鹿児島中央−指宿。今回の旅行の目的は肥薩線に乗ること。だから一番最初に目指した。朝早い八代駅には特別な車両が停まっていた。それが観光用であることは明らかだった。前日の「東横イン」にはパソコンがあって無料で検索ができた。予習によれば、肥薩線は八代から人吉までの川線と人吉から吉松までの山線に分かれるということだった。列車内には、予習するまでもなくもっと詳しい解説があったりw。川線のことは知らなかったのだが、これもまた私好みの美しく険しい路線。ひたすら川沿い。雄大でコバルトブルーの球磨川。まるで只見線のようだ。盆地地形に到着すると、そこは人吉。ここから山を越えていく。ここからの景色は日本三大車窓と言われている。JR九州では「日本一の車窓」と銘打って盛り上げていた。ここは昔、鹿児島本線だった。水俣を経由する海沿いのルートは国防上海からの砲撃を避けるために選択されなかったとのことである。考えてみれば、昔の路線は海沿いにはない。御殿場線岩徳線もそのためか?さて、観光列車「いさぶろう」は多くの客で満員だった。私のとった指定は通路側で見晴らしがよくなかったので、展望席に立つことにした。列車がスタートすると、女性乗務員のアナウンスがスタート。ひたすらの上り坂。右も左も山。見晴らしのよいところでは停まってくれる。さすが観光列車。最初の駅大畑に到着。鉄道マニアには超有名な駅。ループとスイッチバックを併せ持つただ一つの駅。昔はSLへの給水施設があった場所。今は誰も住んでいない。何分か停車時間があって皆降りて写真を撮っていた。再び列車は動き出した。ループは乗っている分にはほとんどわからなかった。後ほど眼下に見えた線路でようやくわかる程度。列車は急勾配を登り続け、次の駅の矢岳に到着。ここは標高500m。大畑より300m近く高い。ここもまた無人駅。風情のある駅舎、少し離れたところにSLが展示されている。ほとんどの人が写真を撮っていた。さあて、ここからが例の車窓。最初のトンネルを抜けた先。このために九州まで来たのだ。その瞬間はあっけなくやってきた。見えた。列車も停まった。遠くに霧島連山、さらに奥には桜島、平野にはどこかの町並みが一望でき、川が流れていた。期待感が大きすぎたのだろうか。正直、私はそんなに凄いと思わなかった。たまたま列車が停まってたからじっと見れたけど、もし停車しなかったら一瞬しか見えなかっただろう。それよりもここに至る過程の方が凄いと思った。本当に山の中だった。木しか見えない。まるで石勝線のよう。ここに線路があるならどこにでも線路が引ける、そんな山奥。勾配に弱い鉄道をこんな山奥に通したことに感動した。全線を通した景色が凄い!次の駅は真幸。ここはスイッチバック無人駅。三連続で秘境駅なわけで。やがて終点の吉松に到着した。乗り継ぎの時間を利用して駅弁「くりめし」を堪能。
 次のルートを悩んだ。吉都線に乗り換えもうしばらく山を楽しみ宿が確実な鹿児島で一泊するか、鹿児島を抜け宿が不安な指宿を目指すか。さっきの区間で山はお腹いっぱいということで先を急ぐことに。吉松から隼人へ。隼人からは日豊本線。やがてきれいな海に豪快な桜島。初めての桜島。これは凄い。とてもきれいだ。この車窓の方が凄いと思うんだけど?
 鹿児島中央からは指宿枕崎線。日本で一番南の路線として知られていた(今は沖縄にモノレールができている)。指宿で下車。絶対に砂風呂に入りたかった。観光案内所で砂風呂と宿について問い合わせ。砂風呂は夜8時まで。宿は3500円のウィークリーマンション?何?こんなところで?借りたことないんだけど?名前は「海水」。なんか変。とにかく歩いてみた。町は根室を明るくしたような感じ。漁港独特の荒っぽさ。シュロの木みたいなのが埋まっている。南国ムード。しばらく歩くと確かにマンション。いたって普通。おばちゃんから鍵をもらい部屋に入ると、普通のワンルーム。ソファーとテーブルとテレビ。布団もあった。荷物を置き、すぐ近くにある砂風呂へ。「砂むし会館「砂楽」」。公共の施設。かなりの大人気、観光客でごった返してた。急がないと閉めちゃうということでそのまま受付。番号を呼ばれ、浴衣とタオルを渡された。更衣室で裸になり浴衣を羽織る。外に出ると砂浜の一部がござで目隠しされていてその中に人が埋められていた。係りの人に促され、タオルに頭を乗せて、仰向けに寝そべると確かに砂は暖かかった。係りの人にざっくざっくと砂をかけられると思ったより重い。これは新感覚だ。暖かくて重い。なんだこれは。大体、成人で10分程度が目安。最初は余裕だった。目を閉じると波の音とスコップで砂を掘る音。周りを見ると顔だけ出して埋まってる人。不思議な光景。だんだんとあったまってきた。でも我慢できる程度。誤算だったのは左の踵だけがやたらと熱く。15分耐えたが踵がやばくて断念。家族連れで小さな女の子が「お父さん、お母さん、早く出るとよ!」と叫んだのがかわいかった。砂だらけの身体は内湯で流した。なかなか気持ちよかった。九十九里にもあるらしいので是非行ってみたい。さて、風呂の後は夕食の場所を探した。これがなかなか見つからず。結局、駅前まで戻って「青葉」という定食屋に入った。カツオと黒豚とビール。うめー。
 一日でこんなに楽しんでいいのかしら。至福の一日だった。