びーの独り言

どこいくの?どっか。

2023/04/08(土)「生駒」

 6時半、起床。東横イン伊丹空港。相変わらず出かける場所が決まらなかった。暗峠(くらがりとうげ)を思い付いたが、先週痛めた左膝はまだ少し痛いし、ますのすしでお腹の調子がよくなかったので、あまり自信はなかった。そのまま840の送迎バスで出発。
 蛍池から阪急で梅田まで。JRで鶴橋、近鉄で枚岡まで。
 暗峠生駒山の峠で大阪から奈良までを最短距で越えている。暗峠国道308号線であり、酷道マニアの間では狭くて勾配がキツいことでとても有名な道だった。Youtuberの背広氏が歩いて踏破してたのを見て、歩けることを知った。
 1015、スタート。駅からすぐのところに枚岡神社があった。寄り道はせずに、線路沿いに歩いていくと、すぐに国道308号線にぶつかった。道は1車線と狭くて住宅街の中をキツイ角度で上っていた。舗装は白いコンクリートで路面には滑り止めとしてワッカの凹みがたくさんつけられていた。俄然やる気が出てきた。
 自販機がないという情報があったので、水を買いたかったが、1万円札しか持ってなかった。近くにも店はなかった。峠までは2kmで80分。なんとかなるだろ。道は住宅街の中から、そのうち片側が枚岡公園に沿うようになっていた。そして、茶屋が現れた。
 1035、お休み処「初音」。自販機があったが、1万円札は使えなかった。中にいたおじさんに1万円の両替を頼んだ。めんどくさそうな顔をされたが、1万円を受け取ってくれた。すると「2枚あるで」と言われて1枚返してくれた。もし返してくれなくても、気づかなかっただろう。ラッキーだった。無事に水を買うことができた。
 上っていくと、足が疲れてきた。1040、公園の中にトイレがあった。これまたラッキー。出す物を出した。足も軽くなった。
 トイレから出ると雨がぱらついた。予想外だった。止むことを期待してそのまま上り続けた。傾斜は緩まるどころかキツくなっていった。カーブは少なく一直線だった。休み休み上った。時折、歩いている人がいた。車やバイクが追い越して行った。
 写真で有名な強烈な九十九折が出てきた。傾斜が一番キツイというのはあるけど、車が停められるからかもしれないと思った。車が2台ほど上って行ったが、傾斜がキツすぎて後輪が空転していた。地面には多くのタイヤの跡がついていた。
 ずっと山の木々の中だった。暗峠の名前の由来はこのあたりだろうと思われた。急に景色が開けてからは上りが少しラクになった。家も出て来て、道もコンクリートから石畳となった。遂に、奈良県の白看板が出てきた。思ったよりあっけなかった。
 1145、峠の茶屋「すえひろ」。まさしく峠の茶屋にふさわしい立地だった。ちょうどお昼にはいい時間だった。愛想のいいおばさんが出てきた。わかめうどんを頼んだ。素朴でおいしかった。なんせ運動した後だからうまいよな。1210、出発。
 生駒側は大阪側と比べてなだらかという情報通りだった。そして、歩いていてもあまり面白くはなかった。歩く距離が長い分、なかなか着かないような気がした。途中から雨が本格的になってきた。折り畳み傘をさした。
 1315、近鉄生駒線南生駒駅。歩いて生駒山を越えられることに軽く驚きつつも、あっけなさ過ぎて特に強い達成感はなかった。ここで安心したのかお腹が緩んで、トイレにこもる羽目になった。時間が早いので信貴山に向かおうと思ったが、これ以上歩くのもどうかと思ったし、何より雨の中歩くのは勘弁だった。生駒駅の方に向かって帰ることにした。すると、雲間から日がさしてきた。せっかくだから生駒駅から生駒ケーブルに乗ることにした。
 生駒ケーブル鳥居前駅から宝山寺駅を経て生駒山上駅を結んでいた。私はケーブルカーの乗り潰しはやってないが、興味はある。
 宝山寺には以下のエピソードがあった。近鉄の前身である大軌は社運を懸けて、大阪と奈良を結ぶ最短ルートに生駒山をぶち抜くトンネルを掘った。しかし、工事が難航したために社員の給料が払えないくらい資金難に陥った。これに伴い、工事を請け負った大林組も倒産のピンチに陥った。そこに手を差しのべたのが、生駒聖天で有名な宝山寺だった。これにより大軌は生きながらえて、現在近鉄奈良線は大阪と奈良を結ぶ不動のメインルートとなった。宝山寺近鉄にとって聖地のような場所だった。
 また生駒山上には生駒山上遊園地があった。ここからの夜景を学生時代に2回見たことがあった。大阪平野を遠くまで見渡せてどこの夜景よりも美しかった。昼間に見るとどうだろうか?
 生駒ケーブル鳥居前駅近鉄生駒駅より歩いてすぐだった。ケーブルカーにしてはやたら広い乗り場。驚くことに複線だった。犬の形を模した車両。駅を見ただけでテンションが上がった。チケットは生駒山上駅の往復1000円を買った。宝山寺はスルーすることにした。チケットは2枚発券された。
 1420、発車。車内アナウンスによると、生駒ケーブル大正7年に敷かれて、日本で一番古いケーブルカーだった。宝山寺駅で一旦乗り換え。乗り換えがあるのは珍しかった。すぐにトンネル。途中に駅が2箇所あった。そういえば、秘境駅だったはず。確かに山の中の凄い場所にあった。相当長いこと乗ってた気がした。それもそのはず日本一の長さだった。
 生駒山上駅着。降りる時にチケットを渡す仕組み。ここで私は2枚を重ねたまま渡してしまったようだorz。こないだ静岡で散髪した時も同じ事をしてしまった。そして、さっきの1万円札も。最近、うっかりすぎる。
 駅前は既に生駒山上遊園地の中だった。それ以外の用事で利用する人はいなさそうだった。遊具の中を歩いていくと、風が強くてやたら寒かった。山の上だからだろうか?展望台を探すと、眺望レストランがあった。お腹は空いてないのに店に入らなければならないのか?
 いくつか店があり、その中の小さな店に入った。一つだけ景色がよく見える席があり、そこに座った。眺望目当てなので、一番安いたこ焼きにした。眺望は素晴らしかった。大阪平野にはたくさんの建物があり、その先には大阪湾が光っていた。空は水色で白い雲が浮かんで、雲間からは光が漏れていた。出てきたたこ焼きはびっくりするくらいショボかった。冷凍でもこんなのはないわ。おまけに「その席寒いのでこちらに移りませんか」と言われた。要はそこからどけということだろう。なんだかな。お会計の時に、マスターに話かけられた。明るい人だったけど、この内容ではやる気が出なかった。
 ここまで来たらやっぱりちゃんとした景色が見たかった。大学の時に夜景を見た場所を思い出して、その方向に行ってみた。すると、展望台があった。店の中でガラス越しに見る景色とは比べ物にならないくらい広がりと奥行きを持っており、フレームにはとても収まりきれなかった。陸と海と空が織り成すダイナミックなパノラマ&光のショー。完全に心を奪われた。もし、大切な人がいるならば、一緒に見たい景色だと思った。世界はこんなに素晴らしいんだって伝えたいくらいだった。
 帰りは290円で宝山寺にいくことにした。チケットを失くしたのも、宝山寺に行けということだったのかもしれない。1529、生駒山上駅発で宝山寺へ。
 1545、宝山寺。参道の階段の両側に店が立ち並びとても雰囲気があった。創建は江戸時代。比較的新しいけど、そこそこ大きかった。どうして名刹になれたのだろう?お寺だけど、巨大な鳥居。縁起は知らない。ご本尊は秘仏歓喜天歓喜天自体初めて出会ったような?見てないけど。お参りしてる時は近鉄のことなんて忘れてた。1620、宝山寺駅発。鳥居前駅下車。
 1632、生駒駅発の大阪メトロ中央線で本町まで。御堂筋線で梅田下車。1715、スナックパークのいか焼きの列に並んだ。いつもの4種。ノーマルとデラバンがおいしい。1750、JR大阪駅で、ますのすし狙ったけど、流石に売り切れだった。阪急で蛍池。1840の送迎バス。1845、東横イン伊丹空港
 今日は暗峠だけで充分満足してたが、生駒山上遊園地があまりにも素晴らしかった。今回は行き先に困ってた割には当たりが続いてるなあ。それとも少し旅行がうまくなってきたかな?