びーの独り言

どこいくの?どっか。

2018/10/20(土)「入院107」

 父親が来る予定だった。父親が来るといつも不毛な言い争いにしかならず、病気が霞むくらいのストレスだった。父親と接する中でボケ老人であることがわかって来たので、付き合い方も変更しなければならない。ボケ老人相手にあれこれ言っても時間の無駄だし、ボケてなくたって人の考えなんて簡単に変わるわけはない。変えるとするなら私の考え方。私に必要なのは圧倒的にスルースキルだ。昔からこれだけはどうにもならない。この機会をいい訓練だと思って冷静に対処してみよう。
 その時は14時前にやってきた。こちらの予習は十分だった。頼むことや聞かなきゃいけないことも紙に書いてまとめていた。今日は専用窓口に行って月の治療費を払ってもらうつもりだった。以前に2回やってもらってたので大丈夫だろう。説明したら案の定前回の郵便局ATMと勘違いしていた。いつもならここで怒っていたが、今回は優しく丁寧に説明した。なるべく簡単な言葉を使い、わかりやすく聞き取りやすいようにゆっくりと。質問も否定しないように気をつけた。果たして首尾はうまくいった。今までできなかった新しいことまでできたのには驚いた。とてもボケてるとは思えなかった。
 買い物は久方ぶりに前回のオーダー通り買ってきていた。水500mL10本と紙コップ100個。水は毎回10本頼んでいたが、以前に腕が痛いので勘弁してくれと言われていた。談話室に自販機があり、人のいない時間帯には入室できるので、これからは自販機で購入することとして、次回からの水の運搬は免除した。
 話ができるムードを演出したためか父親は色んな話を始めた。一番面白かったくだりは「ワシのことをウソつき呼ばわりするの止めろ」「俺にはウソにしか聞こえないからそう言ってるんや」「アレンジじゃ」「毎回変なアレンジするから何が本当かわからなくなるんや」「そういうふうに生きてきた」。いつも人の話を自分の都合のいいように曲解し、ウソ情報を流して相手をコントロールしようとしてきた。当然毎回すぐに辻褄が合わなくなり、家族間に相互不信を生み、遂に家族全員からの信用を失い、誰もまともに相手をしなくなった。この期に及んで自分は間違ってないと必死で言い訳してるから、なんだかかわいそうに思えてきたが、その自分勝手な考えを改めない限り許すつもりはまったくないから。家族を支配しようとして散々混乱させた責任はちゃんと取ってもらう。
 スルースキルは初回はうまくいくが、何日か空くとこの気持ちを忘れてしまうことが問題だ。次回も冷静に理性的に対応するのが目標。そして強い意志でフェードアウトしていく。