びーの独り言

どこいくの?どっか。

2013/05/12(日)「手塚」

 西宮北口のネカフェを後にしたのは8時15分頃であった。特に用事はなかったが、このまま帰ってももったいないので、最初から観光することに決めていた。地元を観光するなんて不思議な感じがするがw。
 9時半、宝塚の手塚治虫記念館に行った。「ブラックジャック」「アドルフに告ぐ」を読んで以来、私は手塚治虫氏のファンである。ストーリーの面白さ、正確な科学的知識、類い稀なる表現力、どれをとっても不世出の大天才であり、マンガ界の神と呼ばれるのも頷ける。いずれ歴史の教科書に載るんじゃないかと私は思っている。手塚氏の作品はヒューマニズムに溢れている。夢、希望、憧れ、勇気、信頼。いまだに支持され続ける理由は、人間の心の奥深くにある良心をくすぐるためかもしれない。展示では手塚氏の生い立ちから作品の歴史、マンガ界に与えた影響などが説明されていた。小学生のときに描いたというマンガは、とても小学生のレベルではなかった。山下清画伯のときも感じたが、天才の片鱗というものは既に子供の頃には発揮されているらしい。またアイディアを練ったノートもあったが、びっしりと書き込みされており、とてもよく考え抜かれていたことが伝わってきた。こういう人が寝る間を惜しんで作品を作り続けたのだから、誰も追いつけるわけがない。手塚氏は執念深く、決して諦めなかった。そして、常に前だけを見つめていた。私は今回ストレス発散のために関西に来たが、手塚氏の偉業を見ていると、私なんてまだまだ頑張れるような気がしてきた。とても楽しい場所だった。その証拠に3時間弱も粘ってしまった。
 13時半、池田のインスタントラーメン発明記念館に行った。ここは日清食品創始者安藤百福氏が発明したインスタントラーメンを扱っている。NHKプロジェクトX」でも取り上げられたことがある。安藤氏が開発を行ったという小屋が展示されていて、あまりに小さい小屋で驚いた。世紀の発明がここから生まれたかと思うと、発明に環境などは関係がないんだなと思った。他にも、具の真空ドライ、均一に麺を揚げる方法、発泡スチロール容器、ヒートシールのふた、シュリンクフィルム、麺を容器に収める機構、お湯の出る自動販売機、すべてイチからの開発だった。先見の明とアイディアの豊かさ、パイオニア精神が素晴らしい。安藤氏には、うまいものを手軽に提供したいという大義があった。私だって世の中の役に立つものを作りたいという気持ちを持っていたことを思い出した。安藤氏は48才で発明した。私だってまだまだやれるはず。前向きな気分になれた1時間弱の滞在だった。
 小林一三記念館に行った。小林一三氏は私の大好きな阪急電鉄創始者である。小林氏が画期的だったのは、他社に先駆けて多角化経営をした点であった。鉄道沿線の宅地開発、宝塚歌劇団東宝映画の設立、阪急百貨店の経営などが知られている。その方式は後に東急の五島慶太氏にも伝授された。展示で印象に残った箇所は、阪急電鉄の前進である箕面有馬電気軌道の設立の際の金策である。小林氏は三井銀行の出身で、そこの経験を生かしたと思われる。私は何か事業を起こしたいと思ったとしても、金策については全然わからない。やはり先立つものは金なのか?小林氏は美術品の収集でも知られていて、そのコレクションは近くにある逸翁美術館に展示されている。閉館までの2時間弱では全部見ることはできなかった。またの機会にもう一度チャレンジしたい。
 この連休はとても充実していた。急なお願いでも相手してくれる友人にはとても感謝しているし、今日の3箇所とも非常に楽しかった。ストレスを感じてる場合ではないと思えたのだから大成功だろう。明日からできる範囲で地道に頑張りますか。