びーの独り言

どこいくの?どっか。

2012/09/15(土)「旅行2」

 0445起床。まだ酒が残っていた。予想してたことだけど、腹が痛かった。本塩釜駅でトイレに行ってたら電車が行ってしまった。時間を3分勘違いしていたorz。
 本塩釜―松島海岸→矢本―石巻渡波→女川→石巻―前谷地―柳津→気仙沼―一ノ関―水沢。
 出遅れたせいで松島海岸で30分待ちになった。せっかくだからぷち観光した。岸から近い小さな島に五大堂というお堂があった。すかし橋という木造で下が見えるはしごのような橋を渡ると、趣のあって品のある印象的なお堂があった。松島にはその他にも国宝のあるお寺や博物館があったが、それらは今度の楽しみで。
 松島海岸より先は津波の影響で不通になっていた。その代わりに代行バスが走っていた。バスは大型の観光バスで、15人くらいが乗り込んだ。仙石線の駅をたどっていくと、仙石線の架線柱は傾いたままだった。仙石線跨線橋を渡ったとき、カーブになった路盤にホームが見えた。レールがはずされていて衝撃だった。まるで廃線のよう。ここは東名という駅だった。次は津波被害の大きかった野蒜。原っぱの中にぽつりぽつりと一軒家が現れたが、いずれも1階部分がめちゃめちゃに壊れていた。野蒜駅車両基地でもあったのか構内は広くなっていたが、その架線柱が傾きまくっていて架線がだらしなく垂れ下がっていた。駅に併設されていたコンビニは窓ガラスが割れてどうしたらここまでできるのかというくらいめちゃめちゃだった。
 矢本で再び電車に戻り、石巻石巻線に乗り換え津波の最もひどかった女川に向かった。渡波からは再び代行バスになった。見覚えのある海岸が見えるとリアス式海岸に養殖いかだが浮かんでいた。津波などなかったようにすら見えた。海岸と崖の間の狭いスペースに、県道と石巻線が走っていた。石巻線はところどころで路盤工事をしていた。女川の一歩手前の浦宿までは復旧の目処は立っているらしいが、なぜ女川まで通さないのだろうかと不思議に思った。バスでは女川の1時間待ちを利用して何か食べようかと予習した。ちょっと時間が早いけど、開いてるとこありそうだななんて思っていた。バスは浦宿を越え、小高い山を登った。小さな峠を越えると女川の町が見えた。そこには予想だにしない驚愕の景色が広がっていた。まったく何もなかった。駅があったはずなのにどこだったかわからないし、飯を食べるようなところもあるわけがなかった。町が消えていた。津波は根こそぎ何もかも奪い去っていた。目の前に突きつけられた現実、この世にこんなことがあるのか。テレビで見た映像は衝撃だったけど、どこか他人事だったことに気づいた。バスは駅とは無関係の高台にある陸上競技場に到着した。ここは避難所になっている。旧市街地を歩きたかったが、高台を降りるのは大変そうだったので止めた。何もやることがなくなってしまった。折り返しの路線バスがあったので、すぐに乗り込んだ。
 石巻では2時間待ちになった。石巻石ノ森章太郎の出身地で以前から漫画で町おこしをしていた。商店街のあちこちには石ノ森キャラクターのモニュメントが立てられていた。北上川の中洲には石ノ森萬画館があった。津波被害に遭い復旧に向けて工事していた。津波のときの写真が貼ってあり驚いた。中洲は完全に水没、水が引いた後は泥だらけ。今では全然気づかないくらい泥は取り除かれている。町のあちこちに復旧支援に対する感謝のメッセージが貼られていた。何か食べようかとB級グルメを調べると黄色い焼きそばがひっかかった。あまり期待せずに「かのまたや」。どこが差別化ポイントかわからなかったり。B級グルメがここまで乱立するとただの詐欺だ。今度からは審査を厳しくしよう。
 石巻線を前谷地まで戻り、気仙沼線で柳津まで。その先も代行バスだった。しかも、2時間の長丁場。柳津から国吉は比較的新しい区間でトンネルどーんだから、そんなにやられてないだろと思ってたが、突堤がほとんど崩壊してた。もうどんなに頑張っても、この線は永遠に復活できないと思った。志津川は女川よりも大規模に壊滅していた。ここも町が消えてしまっている。目の前のこの事実をどう考えればいいのだろうか?壊滅しているのに乗り込んできた高校生がいるのが驚きだった。どこに用事があったのだろう?私が何を感じようとも、地元の人は津波なんてなかったように見えた。既にみんな前を向いて進んでいるのだろう。その先の入り江も確実に全滅していた。津波は人間の営みなど関係なしに根こそぎ平等に破壊しつくしていた。陸前階上駅からBRTになった。BRTとは線路を舗装してバス専用とすることである。どんなんだか期待してたのだが、わずか一駅で国道に戻った。まったく意味がわからなかった。前後の路盤が喪失してるのにどうやって拡張していくのだろうか?
 気仙沼でせっかくだから飲み屋に行くことにした。予約したと思った北上の「東横イン」を確認すると、予約できてないことがわかった。超焦った。一ノ関と北上にかけまくるけどすべてアウト。その間の水沢を狙うとなんとか確保することができた。気仙沼南気仙沼駅の方が開けていた。ネット調査で一番のところは予約でアウトだったが、二番目の「ぴんぽん」をゲット。おやじさんが「こつこつ庵」のおやじさんに似ていて明るくしきりに話しかけてくれた。しかも、いかの塩辛から刺身の盛り合わせまでどれもうまいし。生大から生酒。えらい飲んでべろんべろんに。帰ろうかと思っていたら、隣に来た女性2人組と盛り上がり。わずか30分だったけど、すごく面白かった。ゆうこさん、ありがとう!タクシーの運ちゃんに津波の質問をすると、あのあたりは2階まで浸水したらしい。最近では高台が人気だとか。
 2000気仙沼発一ノ関行きが最終。一ノ関からさらに水沢まで。寝過ごさないように立っていた。泊まりは水沢「グリーンホテル」。風呂は共同で4000円。タバコ臭い部屋だけど、休めるだけで幸せ。