びーの独り言

どこいくの?どっか。

2012/03/18(日)「旅行2」

 乗り鉄の朝は早い。盛岡0644発のIGRいわて銀河鉄道。18切符範囲外だから八戸まで3000円もかかった。いくらなんでも高過ぎだろ。因みにあと1000円足すと新幹線で1時間得をする。
 盛岡―八戸―三沢―十和田市―三沢―八戸―青森―蟹田木古内―函館。
 十和田観光電鉄は三沢から十和田市を結んでいる。十和田市から八甲田山への観光ルートがあったのだが、東北新幹線新青森まで伸びたために十和田七戸駅が観光の拠点になった。そのため乗客が2割減ってしまい4/1で廃止になることになった。一度乗ったことがあるが、いろいろと強烈なインパクトがあった。三沢駅を降りると、ざらざらのコンクリートでできたレトロな駅舎があった。前回と変わらない佇まいに思わずデジカメに手が伸びた。中に入ると強烈なそばつゆの匂いとともに前回の記憶が蘇ってきた。匂いは五感の中でも記憶を強く思い出させるのかもしれない。今回は念願だったそばをいただいた。山菜、玉子、天玉のスペシャル。あっさりとした味がやけにおいしく感じられた。味わっていたのは全体の雰囲気なのかもしれない。待合室や改札も徹底して昭和初期だった。残念なことに同業者がたくさんいた。良い雰囲気が台無しだった。それは電車の中でも同じだった。前回は客が乗ってなくてのんびりしてて、桜がちらほら咲いていて、いかにも地方ローカル線であった。今回は騒がしくてカメラを持った同業者でいっぱいで桜もまだ咲いてなかった。きれいだったイメージが変な記憶で上書きされるようだった。でも、区切りとしてはこれでいいのかもしれない。来なかったら納得できてたかというとそうも思わないし、妙に美化する方がおかしいのかも。私が何を思っても4月になればなくなってしまうだけなのだから。
 八戸で前に東京駅で食べた「熟成平目のポン酢寿司」を見つけたので予定にないのに買ってしまった。こういうのが一番いけない。待合室で食べると、ひらめとポン酢の絶妙のハーモニー。ポン酢好きにはたまらない。すると目の前に「北海道&東日本パス」のパンフがあった。いやな予感がして手に取ってみると、やはり期間内だった。IGRと青い森鉄道、それから18切符の差額を加えると6000円近くを損してることが判明した。何のための貧乏旅行だ。酷すぎる。激しい自己嫌悪に襲われた。
 青森でも食い気に抗しきれず以前に行った「新鮮市場」に行ってみた。朝市みたいなところ。マグロ、鮭、ウニ、カニの4色丼を食べた。ほとんど味がしなかった。「百萬石」のせいで舌が肥えすぎたに違いない。もう海鮮はダメかも。
 津軽線に乗ると北海道に上陸する雰囲気が出てくる。津軽平野は見渡す限り雪の野原だった。車窓のほとんどが雪に覆われていた。昨年のストーブ列車に乗ったことが思い出された。海が迫ってくるとまもなく蟹田に到着。蟹田というインパクトのある地名を見ると決まって太宰治の「津軽」を思い出す。明るいうちに三厩に行くこともできたが、函館つまり食べることを優先した。
 蟹田から特急で木古内へ。夏休みと違い鈍行旅行してる奴はいなさそうだった。木古内で110分待ち。こういう意図的に特急に乗せようとするダイヤはなんとかならんもんかな。木古内では新幹線の駅が作られていた。地勢学上意味があるのだろうが、新規需要をどれだけ掘り起こせるだろうか。掲示物によれば、新幹線のトンネルなどもできつつあるみたいで、2015年開業とのこと。結構近い。また乗りにくるんだろうな。時間潰しに駅前の喫茶店で瓶ビールと枝豆。店の人は年はくってるけど、とてもきれいな人だった。私がいなければ、店を閉めてたかもしれないから、ちょっと邪魔した感がしなくもなく。私はずっと読売新聞を読んでいた。普段日経しか読まないので結構いろんな記事が出ている印象。瓶ビールは苦手なので少し気分が悪くなったり。
 木古内を1903に出発。海側に陣取って暗闇を見ていた。暗闇を見てても飽きなかった。基本的に真っ暗だったが、半分はたまにある建物から漏れてくる光や並行する道路のヘッドライト、半分は車内の光が反射していた。今回の旅行では今までと違ってこれからのことが自然と頭に浮かんだ。そういうことを忘れるための旅行のつもりだが、そういうことにケリをつけなきゃいけないタイミングなのかもしれない。暗闇の中に期待通りの光の帯が現れた。海の向こうに函館の町があった。光の帯の先端の少し高いところに灯りが。展望台だった。
 函館は私のお気に入りの町、今回の訪問目的はおいしいものを食べて日常から離れることだった。それに函館にはGWから盆にかけてしか来たことがなかったから冬の函館に興味があった。冬の函館駅は夏とは違う表情を見せ、深々と冷え込み閑散としていた。歩道には雪が残っており歩きにくかった。いつもの「東横イン」にチェックインして、「はこだてビール」に向かった。お腹がいっぱいでもここははずせなかった。ライトアップされた建物は波止場を連想させる赤レンガ、建物だけでも充分美しい。事前調べでは2120ラストオーダーだったが、実際は2100で閉店の立て札が。知ってれば三厩に行ってたのに。余市の「かきざき商店」でもそうだったけど、閉店間際に駆け込むのはよくないね。目の前のことを確実にやっていかねば。それにしても、旅行計画が杜撰すぎる。前はもっとしっかりしてたのに。初めてのイベントがなくなってきたから適当になってるんだろな。缶ビールにあたりめをやりながらテレビを見るのが楽しかったりする。別に旅行先でやらなくてもと思うが、休みくらいは時間を気にせず無駄なことがしたいのかもしれない。