びーの独り言

どこいくの?どっか。

2011/12/27(火)年休「旅行5」

 0711熊本発。今日は18きっぷは使わず。熊本―立野―高森→高千穂。
 3日前、旅程に悩んでいたら大学友人Sが高千穂に行ってみたらと勧めてくれた。JTB時刻表には高森からのバスはなかったので無理だろと思っていたのだが、どうやらバスはあるらしい。湯の里ユースのおばちゃんに話すと、高千穂ユースに電話したらということだったので、昨日電話してみると、1日2本あるとのこと。ということでまさかの高千穂になった。
 南阿蘇鉄道阿蘇山の南側を走り立野から高森を結んでいる。阿蘇の景色はとても雄大で私のお気に入りだ。4年前は運転手さんが観光案内をしていたのだが、さすがに平日の朝ではやっていなかった。
 高森駅ではバスを待つ2時間の間に自転車を借りた。電動アシスト自転車は初めてだった。最初違和感があったけど、慣れると楽だった。その足で湧水公園に行った。湧水公園は、高森と高千穂を鉄道で結ぼうと掘ったトンネルが、どういうわけか水脈を切ってしまい、公園として整備された。4年前は入り口まで行ったが、今回は入ってみた。客は私の前に親子の3人がいるだけだった。入り口の説明では、全長6kmの予定で昭和48年に着工したが、2km地点での出水により付近8箇所の水が枯れて大問題になったらしい。トンネルの中ではクリスマスツリーのコンテストをやっていた。電飾がピカピカ光ってとてもきれいだった。電飾って目から脳ミソにかけて凄く刺激するよなあ。トンネルは550m地点で行き止まりとなった。火事になったら確実に死ぬなあなんて思った。
 11時高森から1日2本のバスに乗った。外輪山越えは大変な山の中だった。高千穂は阿蘇との繋がりが深いらしいが、にわかに信じがたかった。1時間かけて高千穂に到着。すぐに高千穂ユースに電話して予約。昨日教えてもらったように観光案内所で自転車を借りたら、思いがけず廃止になった高千穂鉄道でトロッコをやっていることがわかった。
 またもや電動アシスト自転車。高千穂は坂だらけで電動アシスト自転車は必須に思われた。
 高千穂鉄橋を見に行った。高千穂鉄橋は日本で一番高い鉄道用鉄橋として有名だった。辺鄙な場所にあるものと思い込んでいたら、高千穂からすぐの所にあった。さて、高千穂鉄道は延岡と高千穂を結んでいた。平成17年の台風で橋梁が2本流されてしまい、そのまま廃止になった。廃止になったらほとんどのレールが撤去されるのだが、高千穂では線路を維持し続けている。高千穂鉄橋の隣には雲海橋という自動車用の橋があり、そこから高千穂鉄橋全体を眺めることができた。底が見えなかったのでそんなに高そうに見えなかった。橋の袂にある天岩戸駅を見に行こうとしたら、細かい道に迷い込んでしまいたどりつけなかった。
 30分かけて天岩戸神社に到着した。天岩戸はひきこもった天照大神を引っ張り出す話である。日本の神様は多神教であり人に近い。神様だってひきこもるのである。天岩戸は渓谷の対岸の崖に見えた。あまりはっきりとわからなくて、とても大きな縦長の穴らしきものであり、人間ぽい神様が隠れるには大きすぎるように思えた。次に天照大神を引きずりだすために神様が集まって会議をしたと言われる安河原に行った。清流のそばの河原であった。賽の河原みたいに石があちこちで積み上げられており不気味な場所だった。石を積むことに何の意味があるのだろうか。
 帰りに天岩戸駅の表示を見つけた。迷路みたいなところを進んでいくとなんとか見つけることができた。駅は高千穂鉄橋の真横にあった。簡単なホームと簡素な待合室。誰も来なさそうな所にあり、私の好きなシチュエーションだった。
 自転車を返した後、当初高千穂峡でボートを借りるつもりだったが、高千穂駅に行った。青看に従って山を上ると橋があり、その下が駅になっていた。驚いたことに駅の奥が車庫になっており、そこに2台の車両があった。まるで現役そのままの姿だった。駅には客はおらず、白髪のおじさんがいた。トロッコに乗りたいと言うと、おじさん自らがトロッコを動かし始めた。トロッコは運転席と荷台からできており、往路はバック運転だった。動き始めるともの凄い振動がきた。そのまま橋やトンネルを越えていった。大きな音を立てて線路を走っていくので皆に見られているようで少し恥ずかしかった。折り返しのため天岩戸駅に停まった。その先の高千穂鉄橋は柵で封鎖されていた。しばらくその場所でおじさんは高千穂鉄道のことを色々教えてくれた。いつかこの鉄橋を走れるようにしたい、町のためには鉄道が必要であるという信念を感じた。復路はあっという間だった。高千穂駅に戻り、車庫を見学した。まさか高千穂でトロッコに乗れるとは思わなかった。貴重な体験だった。
 時間的にボートは明日にした。ユースに電話してバスセンターまで迎えに来てもらった。三角屋根の建物で入り口からすぐは体育館のような大きなホールになっていた。客は他に夫婦が1組いるとのことだった。やってきたのは日本のおばちゃんと外国人の旦那だった。日本語と英語が入り乱れて会話をしていた。おばちゃんのノリがとても強烈だった。夕食は川魚の塩焼きとステーキだった。湯の里でもそうだったが、ユースって料理がおいしい。
 夫婦の車に便乗し、高千穂神社の夜神楽を見に行った。畳敷の大きな部屋に上がるとそれっぽい舞台があった。最初に入ったので一番前に陣取った。神楽は天岩戸にひきこもった天照大神の前で踊ったことが発祥。神楽の演目はたくさんあるが、観光客用に4つに絞って上演された。踊りは解説があっても抽象的で難解だった。意味は各個人で考えさせるようになっている。日本の伝統芸能は行くところまで進んでると思えた。良い思い出となった。