びーの独り言

どこいくの?どっか。

2020/10/25(日)「坂越」

 今日は赤穂鉄道の廃線跡を探索した。赤穂鉄道は1921年に開業し山陽本線有年駅播州赤穂駅の12.7kmを結んでいた。国鉄赤穂線が開通したために1951年に廃止された。今までの廃線跡探索では一番古い廃線跡であった。
 篠山線もマイナーだったが、やはり国鉄の路線だっただけに存在は知っていた。しかし、赤穂鉄道のことはまったく意識していなかった。第一印象は「古いし無理ちゃう?」だった。でも、歩鉄の達人を見ると、いけそうだなと思った。
 8時、起床。東横インの朝食。9時、観光案内所でレンタサイクル。
 まずは赤穂鉄道の播州赤穂駅から。JRからは離れていて、跡地は神姫バスの営業所になっていた。広い敷地に面影があった。近くの公民館に赤穂鉄道の石碑があった。
 市道を北東に向かい、JR赤穂線を越えたあたりで山の裾野に寄り、砂利道の桜並木となった。廃線跡感満載で、これだけで来てよかったと思った。砂利道はずっと続いて、砂子駅跡の評柱が出てきた。痕跡はなかったが、気持ち広くなってた。
 砂利道はまたアスファルトの道路に飲み込まれた。坂越駅跡もまた同じ評柱、目坂駅と根木駅にも同じ評柱。赤穂市はやる気まんまんだな。すぐに千種川を渡る大きな橋があり、その横に橋脚や橋台跡が残っていた。
 橋を左手に行くと目の前は山だった。周世駅の評柱を過ぎると、千種川の崖を削った道へ突入。森の中のトンネル。いかにも廃線跡。温度が下がってひんやりとした。木漏れ日の中、自転車を漕いだ。途中で切り通りもあり、ご機嫌だった。真殿駅、富原駅を過ぎ、国道にぶつかる頃には山陽本線が見えていた。
 有年駅は人気がなく寂しい感じだった。街道筋だから昼飯でもと思ったのは大間違いだった。コンビニすらないとは。観光案内所があったが、閉まっていて、電話してください、となっていた。駅前が広かったのでかつては赤穂鉄道の駅があったのだろう。通りかかった女子中学生が「こんにちは」と挨拶してきた。びっくりした。いつも不審な目で見られるのに。このあたりでは挨拶するように指導されているのだろうか?
 11時半、千種川沿いに来た道を戻り、鉄橋を渡ったとこから堤防沿いに進んだ。しばらく走ってからまた千種川を渡った。そこは坂越だった。坂越のことは昔JRの吊り広告で知った。昔の町並みがあるらしい。
 集落の入り口から坂を上って下ると造り酒屋とか昔の建物が出てきた。すぐに海に出た。えっ?これで終わり?あまりにも一瞬過ぎた。ここで昼食食べたいと思ったら、古民家カフェしかなかった。俺におしゃれなとこ似合わないよなと、他の店を探したら敷居が高いとこばかりで。
 13時、古民家カフェ暖木(のんき)。おしゃれで落ち着いた雰囲気。ランチが激うまでびっくりした。何より唐揚げがジューシーだった。昨日の杏もそうだったけど、雰囲気があって、盛り付けがきれいだとおいしく感じるのかもしれない。時間も場所も忘れてまったりした。
 14時、このまま帰るには時間を余しすぎているので、坂越まち並み館に行った。坂越の写真が展示されていただけであんまりだった。隣の奥藤酒造郷土館に行った。木造の建屋の二階に酒造りの道具が埃を被った状態で放置されてるだけ。解説もなく、これは物置か?梁に頭ぶつけて痛かった。
 坂越のパンフレットには「ゆっくり、ゆったり歩けば」と書いてあり、自虐かと思った。あまりにも観光資源に乏しすぎて、これで観光に力を入れるのはちょっと。これだったら全国にいっぱいありそう。
 14時半に坂越を出発し、15時前には播州赤穂駅に到着した。セブンイレブンに寄ったら、地域共通クーポンが使えるみたいだった。一応駅の土産物屋にも行ったが、塩味饅頭、塩、海苔と魅力的な物がなかった。セブンイレブンに戻って、30枚入りのマスクを買った。地域共通クーポン使いづらいわ、というかセブンイレブンでいいのかよ?自転車を返却した。
 15時半の普通で姫路。新快速乗り換えて、17時過ぎに尼崎に着いた。キューズモールで丸亀製麺。これはやりすぎた。
 赤穂は落ち着いたいい町だった。姫路の影に隠れた穴場だと思う。ただ赤穂浪士ばかりでしんどかった。あれは忠孝の義ではなくテロリスト集団。現代の感覚では理解できない。また牡蠣はシーズンではなかった。もともと食べられないので、悔しくなかったが。
 赤穂鉄道はたどりやすくて見所が多く楽しかった。これまた廃線跡マニアの穴場だと思う。赤穂市教育委員会の資料がとても役に立った。分岐点ではグーグルマップが役に立った。少しだけうまくなった気がする。
 坂越にはがっかりした。大抵のところは許容できるつもりでいたが、これは無理ゲー。先週の福住と同じで、マイナーなところはそれなりなのかもしれない。下調べしないからたまにこういうことがある。
 旅行、疲れるけど楽しい。