びーの独り言

どこいくの?どっか。

睡眠の科学

睡眠の科学―なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか (ブルーバックス)

睡眠の科学―なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか (ブルーバックス)

 池谷先生に刺激されてたとき、三ノ宮のブックファーストで平積みになっていた。睡眠にはすごく興味があった。人は人生の1/3を寝て過ごすのだ。
 著者は大学の先生だった。大学の先生の本は読みにくいのが多い。正確さを求めるあまり読みにくくなる傾向がある。この本はブルーバックスであった。ブルーバックスだとなんだか大丈夫かなという気になってしまう。けれど、この本にはくどくてわかりにくい箇所があったし、結局睡眠というのはわからないということを、延々と引き伸ばして書いているように見えた。また、著者はオレキシンという睡眠を制御する因子を発見したらしく、その因子の素晴らしさを伝えようとしているのだが、一般論だったのが最先端の話になるので違和感を感じてしまった。
 オレキシンという因子は、グルコース濃度が減ると起きる方向に動き、グルコース濃度が増えると眠る方向に動く。これは腹が減っているときに眠くなると、えさが取れなくなって死んでしまうからという。昼食後に眠くなるのはオレキシンのせいだったのか。それから、オレキシンが欠乏すると急に昏倒してしまうナルコレプシーという病気になる。だから、オレキシンを阻害する薬を作れば、新規の睡眠導入薬への適用が期待されている。そういえば、やっさんがよく倒れていたのはうつ病の薬による睡眠障害だったのかもしれない。治療のときに脳波をとっていたのは睡眠のパターンを調べていたのかな。
 おそらくは読ませる技術のところだけの問題だと思うのだが、3回読んでも読みにくいという印象は変わらなかった。結局、睡眠のメカニズムはよくわかっていない。ぐっすり眠るための仕組みはこの本を読むまでもなくちょっとネットで調べれば出ていると思う。