びーの独り言

どこいくの?どっか。

日本でいちばん大切にしたい会社

日本でいちばん大切にしたい会社

日本でいちばん大切にしたい会社

 本社の人に薦められた。あの同期Iが泣いたという一言がインパクトありすぎだった。
 我々はなんのために働いているのかというのを気づかせてくれる一冊。滋賀以来私は自分のために働いている。自分が壊れてまで働くつもりはない。次に顧客のために働いている。顧客に必要とされてなければ、会社は成立しない。それくらいは漠然と考えていた。この本ではさらに外注先、下請けのため、地域のため、株主のため、と続いた。うちの会社の名前を胸を張って言えるだろうか?昨今いくつかの不祥事を起こしている。今でも工場は町の誇りだと思われてるのだろうか?ただでさえ臭いがするのに数値を改ざんしたりした。皆、頑張ってるはずなのに、何かが足りなかった。
 近頃は儲けの話ばかり。目先の利益に走り、将来への種まきを怠っている。夢を語れなくなったら製造業はお終いではないだろうか?二宮尊徳の言葉が紹介されている。「遠くをはかる者は富む/近くをはかる者は貧す/それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う。/まして春まきて秋実る物においてや。/故に富有り。/近くをはかる者は/春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず/唯眼前の利に迷うてまかずして取り/植えずして刈り取る事のみ眼につく。/故に貧窮す。」
 この本の前向きな言葉の羅列は、前向きな気分にさせる効果がある。私は、あまりにもきれいにまとめすぎててリアル感が足りないと思った。この本に出てくる人というのは成功を収めているように見えるが、何度も挫折を経験をしているはずだ。そういう部分を知ってるから強いのであって、何も知らない無垢な学生とかがこの話を信じると、やがて世間の厳しさを思い知ることになるだろう。誰かが頑張ってるから頑張りなさいよ、みたいな話は正直しんどい。誰もが自分なりに頑張ってる。休みたいときには休むことが必要なときもある。それでも、生きてる限り頑張るしかない。
 1日で読める。読後感が後ろ向きだった。感動するより冷静だった。狙いすぎだと思った。私は汚れているのかな。だから3度読んで修正した。シュンペーターの後で読むと効果的かもしれない。企業家は金儲けのためでなく信念で突き動かされる。その信念について書かれているようなものだ。こうありたいという理想論である。