びーの独り言

どこいくの?どっか。

2007/10/26(金)「仕事」

 滋賀から東雲に復帰したことで、地獄から天国になった。仕事には満足してないが、17時に帰れるのが素晴らしい。現場は日々どう凌ぐかに必死だ。さらにコンプライアンス違反が追い討ちをかけ、とても開発をやっている余裕などないだろう。それに引き換え研究所は働いているフリをしてるだけ。もっと現場よりの仕事をすればいいのに。それじゃ研究所の意味がないと言う人がいるけど、10年後を見据えたテーマなんて成立するはずがない。なぜならこの会社において失敗は命取りだから。ほとんどが失敗に終わるようなリスキーな新規研究の案件など誰が手をつけるもんか。「なんでやらないんだ」って憤慨してる人には権限あげるから自分中心でやってみたら?その代わり失敗したら左遷でっせ。私は現場よりのテーマをすべきだと考えている。極端な話、壊れた扉を直したり、道に開いた穴を埋める方が役に立つ。現場がめちゃめちゃな製造業に未来があるとは思えない。今を乗り越えないと未来はやってこない。
 最近では途中参入を果たそうにも、サプライチェーンの障壁が高すぎて、切り替えコストに見合わない。特許やISOやREACHなどが先行者利益に貢献するだろう。だから、うちみたいな後追いを基本とする研究はジリ貧になっていく。いつまでも中身のわからない薬品配合を繰り返している。研究なんて突き詰めりゃ設備投資がコストに合うかどうかなのに。原価意識のない研究など一番下にしわ寄せがくるだけ。役に立たない研究をやるのなら寝てるほうがマシ。製品開発で儲けるより、プロジェクトが失敗して誰かが辞めた方が人件費削減効果が大きい。
 「自分の会社が素晴らしいと思いたいだけ」、この主張に対しての反応で大抵の線引きができる。かつて私は仕事こそが自己実現の舞台だと思っていた。しかし、それは幻想だった。言葉とは裏腹に従順であることだけを要求された。仕事に希望を見出せなくなった瞬間に本当の仕事が始まったような気がする。あまり転職は考えなかった。転職のリスクよりはこの会社にいる方がマシに思えた。健康や精神的に異常が生じない限り転職は得ではないだろう。従業員にやる気のない会社は潰れるのかもしれない。少なくとも今の研究所は収益を食いつぶすだけの存在だ。研究所に在籍している以上、何をしても収益に貢献することはない。だからってあんな地獄みたいな現場に戻るのもどうかと。他所の部署に頑張ってくれよと祈る。それで潰れても文句は言わない。運が悪かったと割り切るだろう。
 仕事論については自分の中で結論が出ている。与えられた仕事にベストを尽くすだけ。あとは運だ。