びーの独り言

どこいくの?どっか。

縄文土偶ガイドブック

 昨年のGWは国宝の土偶を巡る旅でもあった。この本はその後に「縄文土器ガイドブック」とともに買った。著者はこないだレビューした「考古地域学を学ぶー戸沢充則の考古学」の中の一人である。
 土偶は主に東日本に分布しており、縄文時代の時期や地域によって形式が異なる。なぜ土偶が作られたかは、呪術的な場面で使われた、安産を祈願したなどと言われるが、実際は謎である。
 印象に残った説明として、土偶には丁寧に作られたモデル土偶と、その劣化コピーのコピー土偶がある。モデル土偶は村の中心に埋められている。通常土偶は壊れた状態で見つかることが多いが、モデル土偶はきれいな状態で見つかるらしい。モデル土偶は特別に村で大切にされていたのかもしれない。
 この本では豊富な写真や絵を使ってあらゆる角度から土偶を説明している。博物館では聞いたこともない話も多くて、よくもまあこんなに話を膨らませられるものだと感心した。著者の持論が多く説明されてるので、実際の学会でどのように考えられているのかが切り分けにくい。他の本も調べるのがいいと思う。