びーの独り言

どこいくの?どっか。

2021/11/14(日)「小浜」

 起床は7時半。東横インマットレスは硬くて好きなんだけど、やはり部屋の布団と違うと気持ち悪い。朝食後、8時出発。
 国道27号線で小浜方面に向かった。国道は内陸を走っており、海はまったく見えなかった。海側には高い山が連なり、あの山の向こうはどうなっているのだろうと思った。途中で車を停めて調べたら、昨日の年縞博物館の方へ行けばいいみたいだった。引き返して国道162号線へ。年縞博物館前を通過し、2週間前のレインボーラインとの分岐を過ぎて、小浜方面に向かった。
 この道は山の中腹を走り、リアス式海岸の半島の付け根をトンネルで次々とパスした。トンネルを抜けると、入り江が現れて、下の方に集落が見えた。何度かこの景色を繰り返した。この道は不人気なのかほとんど車を見なかった。
 9時半過ぎ、フィッシャーマンズワーフ。たくさんのお客さんで賑わっていた。ここには蘇洞門(そとも)巡りの観光船乗り場があった。乗ろうと思ったら、出航したばかりだったorz。次の11時のチケットを買った。2000円だった。
 急いで重要伝統的建造物群保存地区の小浜西組に行った。小浜公園の駐車場に駐車。小浜西組は結構広い範囲が指定されているようで、ウォーキングコースは2時間となっていた。11時までに全部を回るのは無理だと思った。
 適当に歩いてたが、風情はあるが、現代の建物とチャンポンで今までの重要伝統的建造物群とは違う感があった。とある通りに出ると、風景は一変した。狭い石畳の両側に古い木造の建物が並んでいた。ここは三丁町、昔の茶屋町だった。まるで京都の先斗町のようだった。建物はどれも真新しく塗装されてやり過ぎ感があった。三丁町以外はざっと見た範囲ではあんまりだった。ただ観光地化されておらず昭和の香りを残したままの生活感が感じられる町並みで好感がもてた。
 10時半、再びフッシャーマンズワーフへ。11時から蘇洞門巡り。2番目に並んだ。乗船前に消毒してる兄ちゃんに「いい席どこ?」と聞くと、「右側です」と言われたので、右側の席に座った。そしたら、先頭が展望席になっており、前から2番目の席をゲットした。しかし、この席、アクリルガラス越しでしか景色が見えなかった。邪魔だなと思った。
 出航してもしばらくはスマホをいじっていた。大音量でガイドの音声が流れていたが、それ以上にモーター音がうるさかった。
 蘇洞門の奇岩が現れたが、あんまり心動かなかった。普通にいろんなとこにあるよね。それでも写真を撮ったら、アクリルガラスにカーテンが写り込んだりあんまりだった。船の角度によっては強烈な逆光となり、暗くて何も写ってなかった。
 途中で、外に出られないのかなと思った。でも、思っただけで行動には移さなかった。
 メインの大門と小門。ふーんと思ったら、船は大門の裏側に回りこんだ。誰かが「階段がある」と言った。裏側は小さな入り江になっていて、岩場には長い手すりつきの階段があった。船は船首を小さな入り江に突っ込んで、船員さんが真正面のドアから扉を開けて船首に出た。まさか。船員さんは一瞬ロープを持ったが、再び置いて部屋の中に戻ってきた。しばらくして放送が流れた。「波が静かであれば上陸していただくのですが、本日は波が高くて上陸は見送ります」。残念だったが、仕方がないことだった。
 帰りは辛かった。船の揺れで少し吐き気がした。軍艦島の時より揺れているし、酔っても仕方のないところだった。この船にゲロ袋はなかった。ただ耐えるしかなかった。景色も見ずにぐったりして、早く接岸することを祈った。
 接岸したら、フラフラしながら降りた。その時、気づいたが、外にも席があった。ガックシだった。そのままフィッシャーマンズワーフで海鮮丼を食べようかと思っていたが、気持ち悪くてまったく食欲がわかなかった。別に海鮮丼なんて食べなくてもいいやと思うくらいだった。
 車に戻ると、デジカメがないことに気づいた。車の中にもなかった。最悪!チケット売場のおじさんに「デジカメを船に忘れた」と言うと「船の係員に直接言ってくれませんか」。船の兄ちゃんに言うと、「船の中に入って探してもらっていいですよ」。自分の座ってた場所を探したけど、見つからなかった。船を降りた。
 まさか、歩いてる途中で落としたのか?自分の歩いたところを探したけど、見つからなかった。途方に暮れた。デジカメの思い出がよみがえってきた。初めて買った時、沖縄に行った時、いろいろ。
 最後もう一度車の中を探した。すると、助手席とドアの間に落ちていた。よかったあ。ホントにホッとした。
 船酔いも吹き飛んでいて、そのまま2階のレストランで海鮮丼を食べた。別段なんとも思わなかった。もう私の舌は海鮮丼では感動しないのかもしれない。
 13時、出発。13時半、明通寺。ここの本堂と三重の塔は福井県で唯一の国宝だった。木立の中、石段を上っていくと、かなり年期の入った門が現れた。門は木製ながら色が抜けて灰色だった。その奥の石段をさらに上っていくと、本堂が見えてきた。門と同じように灰色をしていた。滋賀の寺よりも色が灰色に思えた。この辺に雪が降るからだろうか?本堂の横にはこれまた古びた三重の塔があった。
 本堂の中に入ると、ご本尊の前の畳の上でお客さんが正座をしていて、その横でお坊さんが同じく正座をして解説をしていた。私は後ろで立って聞いていた。ご本尊の目の前まで近づくことができた。十二神将が元国宝だそうだ。なかなかの出来だった。
 三重の塔は普段は中を公開していないが、今は特別にご開帳していた。中には観音様が背中合わせに鎮座しており、壁には色鮮やかな壁画が書かれていた。壁画は見事な色彩であり、もしかすると当時の色を維持しているのかもしれない。
 14時半、福井県立若狭歴史博物館。昨日の若狭三方縄文博物館と半分くらい被っており、こっちの方がきちんと説明していた。他に若狭に伝わる祭りの紹介が面白かった。若狭は京都の影響があり、町単位で昔からの行事が残っているとのことだった。
 あるコーナーで土器残存脂質分析を紹介していた。土器の内側に付着している脂質からその土器が何を入れていたか推定するものであった。手法は、土器を削り取り、脂質をメタノールと硫酸で加水分解、ヘキサン抽出、乾固後再溶解してGCMS。これは私が仕事でやってたのとほぼ同じだった。最近の考古学では最新の科学分析が導入されているらしい。学問はどんどんボーダーレスになっているなあ。
 17時前に出発。国道27号線から国道303号線鯖街道沿いに行かず琵琶湖の方へ。国道161号線は高速みたいだった。しかし、白髭神社手前で渋滞に巻き込まれた。逃げ道もなく、どうにもならなかった。もし、また日曜日に小浜方面に行くなら、国道162号線は使わないようにしよう。
 途中から湖西道路に入った。有料かと思ったら無料だった。ひたすら快適だった。そのまま真野インターで降りた。琵琶湖大橋を渡り、塩元帥へ。帰宅したのは20時前だった。
 今日は小浜を観光した。小浜は入り江の町であり敦賀よりも舞鶴と似ているような気がした。静かで昔の情緒を残したいい町だった。もっとゆっくり回るべきだったかな。