びーの独り言

どこいくの?どっか。

2023/03/25(土)「現在地」

 久しぶりにAさんと会う日だった。Aさんの起案で東京駅の無料の博物館に行くことになっていたので、いきなり今の関係を終わらせるつもりはなかったけど、気持ちは冷めてたからどんな顔して会ったらいいかわからなかった。
 Aさんと落ち合ったけど、まったく会話が噛み合わなかった。Aさんからネタをふってくれるのだが、悉くうまく返せなかった。盛り上がらなくても仕方ないくらいにしか思わなかった。
 展示は本来なら出会わない剥製と工芸品をコラボさせていた。対極にある2つ。気持ち悪かった。それによるインパクトを狙っているとしか思えなかった。Aさんとはほとんど会話もなくて、何か聞かれても適当に返した。気まずい時間だけが流れた。前にお見合いした相手から「博物館は一人で行くものよ」と言われたことを思い出した。やっぱりそうかもしれない。
 ご飯を食べる時も盛り上がらなかった。行列の少ない店を選び、案の定ご飯はおいしくなかった。「おいしいね」と言われたけど、何にも答えられなかった。
 定番になりつつある食後の喫茶店。店に入る前にいきなり言われたのが「友達から「骨髄移植したら子供できないけど、大丈夫なの」って言われた」。もう飛び上がりそうにビックリした。いつかその話もしなければと思っていたけど、まさかAさんから切り出されるとは。普通の人にそんな知識があるとは思えなかったので、Aさんが調べたのかなって思った。またこのことを聞いてくるってことは、子供が欲しいってことだよなとも思った。それならば、私はこれで何もかも終わりだなと思った。でも、なぜかこれ以上この話は続かなかった。
 店に入ってからは、追い討ちをかけるように、家族のことを聞かれた。一度、家族がお互いに仲が悪くてバラバラだという話をしたことがあったからだろう。「なんで仲よくないの?仲直りしようと思わないの?」って聞かれた。家族だから仲良くしなければならないとは考えてないけど、そのことを説明してもわかってもらえそうな気がしなかったので、お茶を濁した。
 いつか話さなければいけないけど、どうやって切り出せばいいのかわからなかった話を、よりによってAさんから立て続けに振られてしまった。しょうがないかと思いつつ、場の空気はめっさ重かった。
 その後は、急にノリが軽くなって、仕事の話となった。ここまでのぎこちなさがウソのように普通の会話となった。ただ、今まで2人で行った博物館の話は出ないし、私が行った旅行の話にもならなかった。これでは会社の人との方がまだ全然しゃべれてるレベル。
 ボロボロだったけど、次に会う日は決めた。今日は厳しい現実を突きつけられた一日だった。人に指摘されるのは辛かった。自分のことが否定されてるようでショックだったけれど、世間における私の評価は概ねそういうことで合ってると思う。それを今まで直視しようとしないで来た私の瑕疵だろう。遅かれ早かれいつか通らなければいけない道だった。そういう目に遭ったのはよかったと思う。