びーの独り言

どこいくの?どっか。

2013/06/09(日)「行田」

 起床は6時半。昨日買い物をしたのは今日出かけるため。計画なんてなかった。無理矢理でも行けばなんとかなると。8時に出発。
 千葉みなと―東京―日暮里―見沼代親水公園熊野前王子駅前―南浦和―大宮―内宿―大宮―春日部―久喜―羽生―行田市―寄居―小川町―和光市―新木場―千葉みなと。
 日暮里舎人ライナーは、日暮里から北に伸び、見沼代親水公園を結んでいる。ゆりかもめみたいにゴムタイヤの自動運転だった。高いところを走っているので見晴らしがよく、見渡す限り家ばかり。東京の広さを感じることができた。
 熊野前で降りて都電荒川線へ。こういう乗り換えは楽しい。都電は腹が立つくらい満員だった。そして荒川遊園でごっそり降りた。王子駅前で下車。
 腹が減って我慢できなかった。ネットで大宮駅周辺の面白そうな店を探したが見つからず。すると駅弁を売っているのに目が行った。駅弁は避けた方がいいのだが、その中に福井「焼き鯖寿し」が。焼き鯖には目がないのだ。食べてみると、嬉しいことにガリも入っていた。けれど、どうしても油がくどく。2口もあれば、もういいって感じ。弁当の焼き鯖は油が劣化して難しいもんだ。
 ニューシャトルは大宮から新幹線に沿って北に伸びている。ニューシャトルを有名にしたのは、途中に鉄道博物館ができたこと。今回はパスしたけど、いずれまた乗ることになるだろう。ニューシャトルの大宮駅にはマッチ箱のような天井の低いコンパクトな車両が停まっていた。かなりインパクトがあった。また車止めがなかった。ここは行き止まりではなくループ線になっている。おそらく日本ではここだけじゃないか?大宮駅を出た電車は右へ左へ激しく進行方向を変えた。ゴムタイヤ特有の振動だったが、よく考えると自動運転ではなく。線路は常に新幹線に寄り添っていた。新幹線を作るときに既に建設が前提だったようだ。景色は徐々に緑が多くなり、分譲一軒家が増えた。終点の内宿で降りてみると、駅前には薬局が一軒と、個性のない一軒家が並んでいた。
 大宮からは東武で移動。東武はGWに乗り潰したばかり。2度目だと気楽な感じ。目指す羽生まで630円は高いと思った。思ったより羽生は遠いのかな?
 羽生からは秩父鉄道秩父鉄道の羽生から熊谷は未乗で、寄居から熊谷も夜だったからカウント外。とても残念な残し方をしていたと言わざるえない。ただ行くだけでは面白くないので、地元の名物を調べると熊谷にフライという食べ物があり、俄然やる気になった。さらに大学友人Sとメールでやり取りしてると、秩父鉄道B級グルメゼリーフライで有名な行田を通り、さらに行田でフライも食べれることが判明した。
 行田市下車。まだ腹は減ってなかったから忍城に行った。忍城は荒川と利根川に挟まれた沼地にあり難攻不落の城であった。昨年公開の映画「のぼうの城」の舞台にもなっている。忍城天守閣を再建されて行田市郷土博物館になっていた。展示によれば、忍城の城主である成田氏は北条方についたため、豊臣方の石田三成の水攻めを受けた。しかし、水攻めにも耐え、その後の地上戦も善戦した。そうこうしてるうちに北条方の本丸である小田原城が陥落してしまい、それにともない忍城も開城した。忍城とはドラマのある城なのである。
 16時に忍城を後にして、B級グルメを探しに行った。ネットで調べるとフライは「古沢商店」が始まりらしい。探してみると、とても店がありそうにない住宅地の中にポツンとあった。シャッターが半分閉まっているから、休みかと思ったが、ソースの匂いが漂ってきた。中を覗くと、完全に昭和の駄菓子屋。かなり高齢のおばあさんが鉄板でお好み焼きのようなものを焼いていて、その横の小さな部屋には机と丸椅子。そして、おじいさんが2人座っていた。おじいさんの一人が「兄ちゃん、メニューはそこの柱やで」と言った。ゼリーフライを探したが、フライしか見つからなかった。500円のフライを注文。おじいさん2人はフライを受け取って帰っていった。酒のあてにでもするのだろうか?出来上がったフライは、小麦粉に具を混ぜて円形にして、ソースを塗って2つ折りしたもので、かなりでかかった。味はソースがメイン、圧倒的に小麦粉が多く、食感がぷにぷにしてた。たまにネギの味がして、ネギ焼きっぽくも思え。おそらく小麦粉にだしが入ってない。半分で飽きた。まるでお好み焼きの原型みたい。戦後すぐはこれでよかったんだろうけど、名物にうまいものなしの典型というか。
 お腹が一杯となり、ゼリーフライへの執着は薄くなった。ゼリーフライってB1グランプリだと、成績よくないんだよな。でも、せっかくだから探してみた。なぜかマップはフライとゼリーフライの区別をつけてなかった。だから、ゼリーフライの店がわからなかった。また適当に見つけたところは閉まっているし、看板にはフライとしか書いてないのだが?もしかして、行田はフライを売ってる店ばかりでは?でも、フライはおいしくないから前面に出せない。だから、ゼリーフライを推す。そんな図式が頭に浮かんだ。
 飲食店マップが不親切であったが、他にも気になる点があった。行田へのアクセスがわかりにくい。今回たまたま秩父鉄道を使っていたが、高崎線の行田は市街地から5kmも離れていて、非常に紛らわしい。また行田イコール忍城とは思わなかった。行田の名前は知名度が低すぎて観光には不利すぎる。忍城を再建して資料館も充実させたのだから、思い切って「忍市」にでも改名して全国にアピールすればいいのではないか?そっちの方が一回聞いたら忘れられないくらいインパクトがある。こないだの小田原もそうだったけど、東京近郊の都市はもう少し観光に力入れてもいいのでは?
 寄居から東武東上線に乗る頃には薄暗くなっていた。和光市から有楽町線。そしていつもの帰路へ。
 思いがけず行田を回る旅になった。サプライズこそが旅の醍醐味である。心が少しでも動けば、それはいい旅だったと言える。時間は限られている。すべてを知るには時間が足りなさすぎる。生きてる限り、時間を大切にして、人生という旅を楽しもう。