- 作者: 小池龍之介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/03/06
- メディア: 文庫
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
著者は若いお坊さんで、京葉線の車内CMで見かけた。いかにもキャッチーだったから避けていたが、「LIBRO」で文庫版を見かけた。少しでも苦しみを緩和できるのではないかと購入。
心には次から次へとネガティブなノイズが現れて、ときにはそれが失敗の原因となる。例えば、忘れたいことを延々と考えてイヤな気分になったり、やる気満々だったのにいつの間にかさぼりたくなったり、ネットサーフィンで何度も同じHPばかり回ったり。そんな心を訓練して余計なことを「考えない」ようにしよう、というのがこの本の目的である。
この本で一番ハイライトは冒頭部分にある次のフレーズだ。「もし、ムカつく!と思ったら、すぐにこの「ムカつく!」をカギカッコでくくってしまうのです。自分はいま、「ムカつく!」ことが真実だと思っている。それが究極の真理であり、正しいことだと思っています。それをカギカッコでくくって、<私は「ムカつく!」・・・と思っている><私は「ムカつく!」・・・と思っている>と繰り返し念じてみるのです。そして、<いま「ムカつく!」と思っているだけであって、これは真実ではない。自分の心が作り出しているだけのまのである>と認識することです。」。
上記のフレーズに衝撃を受けたが、盛り上がったのはそこだけだった。冷静にもう一回読んでみようとしたが、つまらなくて途中で止めてしまった。本文には具体的な訓練法がだらだらと書かれている。一方的な持論の押し付けであり、ところどころ辻褄もあっていない。謙虚さが足りず傲慢である印象すら受ける。「ネガティブな感情を頭から追い出す」ということであるが、この本自体がダメだししまくりでネガティブな印象を与えている。この人は今まで、ヤなことがある度に感情をカギカッコに入れてきたのかもしれない。乗り越える必要がある困難すらごまかしてきたのではないか?そうだとするなら人に道を説くに値しない。一言いいたい、もっと考えろ!
この本を読む価値があるのはせいぜい20代まで。年を取れば自分の感情のコントロールくらいできるようになる。私はマーフィー本の方を勧めたい。