びーの独り言

どこいくの?どっか。

知らないと恥をかく世界の大問題3

 池上さんの11冊目。2012年5月発刊。前作と前々作のレビューを見てたら、知らなくても恥はかかないだろうとか、どこか軽いとか、酷いことを書いていた。その後シェールガスが話題になったとき、池上さんの先見性に驚いたり。池上さんの本はじわじわとくる。変な本を読むよりよほど役に立つ。今回は一歩踏み込んだ内容が多くへーっと思わされることが多かった。最新の内容だったからかもしれない。1日で読める。2回読んだ。
 印象に残ったのは、今の民主党はかつての自民党のように官僚とべったりとなり、自民党はかつての民主党のようになんでも反対を唱えている。しかも、消費税を上げるとマニフェストに書いた自民党は反対して、消費税には触れないと約束した民主党は消費税を上げようとしている。東日本大震災が起きて迅速にいろいろな問題に対処しなきゃいけないのに政治家は政局ばかり。民主党にNoを出そうとしても自民党にも投票できない状態。一体日本はどうなってしまうのだろうか?この国で民主主義を根付かせるには草の根レベルから政治を考えなきゃいけないと、あまり意見を持たない池上さんがはっきりと言い切っている。
 またイスラム金融が注目されている。現状各国が景気浮揚策として金利を下げたら投機マネーを生み出して市場はめちゃめちゃになった。イスラム教では利子をが禁止されているので、現物に対して手数料を上乗せして売買している。そうすることによって金が金を生むシステムではなく、現物を介した健全な商売がなされるというもの。そういう気持ちで銀行がお金の貸し借りをすれば、世の中はもっとよくなるのに、としめている。
 池上さんが主張したいことは、一人一人が周りの問題に無関心ではなく、自分で考えてきちんと意見を持って、社会と関わっていこう、ということだと思う。この一冊さえあれば、世界情勢の基本は押さえることができるので、さらにいろんな意見をミックスして自分の考えをまとめていきたい。