びーの独り言

どこいくの?どっか。

先送りできない日本

 冬の旅行中に読んだ3冊の中の1冊。3回読んだ。
 この本は東日本大震災が起きた直後の5月に出版された。巻頭には東日本大震災でいろいろなことが大きく変わっていくと熱弁されている。実際私もエネルギー問題や復興財源に解があるように思えず、暗い気分だった。けれど、今は震災前の平穏を取り戻している。
 前の本ではNHKと民放の違いを、NHKでは客観的な解説が求められるだけだが、民放では意見を求められる、としていた。この本では解説が得意な池上さんが持論を展開しているのが面白い。TPPによる関税撤廃や、消費税アップによる財源確保、若いリーダーによる改革、いきつく先はきちんと政策を報道しないマスコミへの批判。とても説得力がある。TPPの下りは容赦ない。農協に対する批判が熱すぎる。保護主義はやがて農業を弱体化させるだけだと。先に関税撤廃した韓国を引き合いに出し、農業を捨て技術で戦うしかないと説く。
 池上さんのように新聞をスクラップすれば、池上さんのようになれるのだろうか。とても追い付けそうに思えない。現役の政治家よりもはるかに影響力があるのではないだろうか。