びーの独り言

どこいくの?どっか。

2011/07/30(土)「12H2」

 6時間経過。そこで聞いたのは「これから1時間回しにします」という絶望的な提案だった。距離が延びるだって!これはたいへんなことになったと思った。Hさんに「ゆっくりでいいから」と言われて少し楽になった。Kさんが帰ってKさん、続いてTさんが来た。この時間から?でも、ありがたかった。寝ようと思ったが、眠くなかった。硬い床は得意だと思っていたが、背中が浮いて腰に負担がかかった。濡れたシャツのままだったら、意外と寒かった。
 1時間の出番は4時だった。どこまでいけるのかって弱気の虫が頭をもたげた。けれど、夢の島もこんなんだったと思った。大切なのは1時間走ることだと思った。みんなもしんどいんだから、頑張らないとと思った。根性は負けたくなかったのかもしれない。決めたことを守らないのが一番ださい。長い人生のたった1時間、それくらいなんともない。姑息に過去最高にペースダウンした。いや最初からライフはゼロだった。歩くように走った。意識ははっきりしてたけど、腹筋も背筋も太もももポンコツだった。足を前に運ぶのは若干の前傾姿勢だけだった。今までの不摂生を詫びたわけじゃない、誰よりも遅いとかそんなんはどうでもよかった。ただ今目の前には1時間走るという目的だけがあった。ふいに、もしこれが引退レースだったらと考えてみると、不思議と楽しくなった。辛いとかそんなのは本当に気の持ちようだけだよな。まるでMBの合宿のようにも思えた。くたくたになるまで走ったけど、あんときもなんとかなったんだもんな。雨脚が強くなった。全身がずぶ濡れになった。おいしいと思った。冷たくていい感じ。プールみたいな涼しさ。なんとか走れてる自分に思わずジーンときた。最悪の裏返しは最高になる。インパクト大歓迎だ。1.4kmを6周で8.4km。旦那さんとTさんがずっと見守ってくれるのが本当に励みになった。
 ラスト1時間で一周した。少し力を入れたら経験したことのない肺に突き刺すような痛みを感じて息ができなかった。あちこち痛くて、頑張ったんだなって思った。この一周は身体的にかなりしんどかった。7時、終わったという実感はなかった。頭が真っ白で脳ミソがメルトダウンしていた。走行距離は1.4kmを17周で23.8km。
 走るのは独りだろ、なんてクールに思っていたら、ここまで追い込まなかっただろう。自分の力以上のものに気づくのは楽しい。まだここまでできるんだと。結局のところ、自分のためじゃなくて誰かのために何かしてると思うのが好きなのかも。でなきゃそこまでしないだろうって思う。ボロボロだったけど、なんか心地よかった。普段気にしていることが些細に思えたというか、生ぬるい日常に強烈な一撃が入ったというか。皆さんありがとうございました。いろいろと準備もしてもらったり気を使ってもらったりしてとても感謝してます。いい人にはいい人たちが集まるんですね。ずいぶん励ましてもらった。皆さん強いなあ。うらやましい限り。
 下り階段が牙をむいた。寝てもないのに筋肉痛、まるでフルマラソンの後。京葉線はひたすら眠かった。千葉みなとから寮がやたら遠かった。部屋でシャワーを浴びようと靴下を脱ぐと、予想どおり両足の親指が逝っていた。布団に横になると瞬殺だった。起きたら16時だった。体中が痛かった。全身の筋肉が火照っていた。洗濯やら片付けをしながら、例のごとく余韻に浸っていた。YUKIの「長い夢」が心に入り込んできた。サビが切なすぎる。今日だけは一人で飲みたかった。「鬼丸」で作文。