びーの独り言

どこいくの?どっか。

橋爪大三郎の社会学講義

橋爪大三郎の社会学講義 (ちくま学芸文庫)

橋爪大三郎の社会学講義 (ちくま学芸文庫)

 橋爪先生の4冊目。面白くなくて、2回でいいやと思ったけど、3回読んだ。ところどころ印象に残ったんだよな。1回読むのに1週間以上。分厚くて結構時間がかかった。
 オーム真理教の頃に書かれたので、オーム真理教を真面目に分析してる箇所がある。今やその内容は色褪せてしまい全く面白くなかった。ただ、宗教集団がテロ組織化するくだりは面白かった。つまり、教義が絶対になると、法律が間違っている、となる。アルカイダとかそうだよな。
 破防法の議論も面白かった。本来、犯罪は事前に防ぐことはできないのだが、だからと言って国家を転覆させる行為は許されるものではない。マルクスの予言では、国内市場が飽和して、海外市場も飽和して、やがて労働者階級の暴力革命が起こるという。それを防ぐために日本共産党をターゲットにして破防法が成立した。日本共産党はおとなしくなったので、過激派がいくつも生まれ60年代の闘争に発展した。どうして共産党が目の敵にされ、さらに過激派を生み出したのか、この年になってようやくわかったような気になった。
 家族の考察も面白かった。10年前に知っていたら人生が変わっていただろうな。フランスでは結婚して経済的な安定が図れたら自由に恋愛する。アメリカでは愛情がなくなれば離婚する。スウェーデンでは未婚の母が多く、日本では中絶する。この本では結婚の目的は子供って言っている。ドーキンスの「利己的な遺伝子」では考えを伝えればいい、と言っているので総合すれば、血の繋がる子供に考えを伝えるのが一番なのかもしれない、なんてことを思ったりする。でも、うちの親とか見てたら血の繋がりなんて意味がないと思う。好きな人のことをずっと好きでいれたらいいけど、べたべたしたら飽きてしまうに違いない。かといって好きでもない人のことを無理に好きだと思うのも無理。遠くから見ているのがいいのかも、なんて思う。そしたら結婚自体が無理だよね。経済的に結婚なんて得なことはないって言われている。そして、結婚したからってずっと満足が得られるかどうかも怪しい。晩婚化が進んできてるのもきっと無意識にそういう流れになってるのかもしれない。結婚してなきゃ社会的に白い目で見られる。子供が2人以上いなければ、年金制度が維持できない。そのうち、すごく子供手当ても厚くなるんだろうな。岡田先生の言う国営のネカフェも立てて欲しいな。
 猥褻の話しもなかなか。あの同心円構造のどこまでアウトだなんてwww。猥褻は道徳で裁くべきで法で裁くべきではないと。見たい人は勝手に見るからなあ。R指定だけきちんとしてればいいんじゃないか。もうね、インターネットから見放題だもん。海外サーバーのそういうのは規制できないよな。年取るにつれ私はチラリズムの奥ゆかしさに魅了されてるんだけどね。妄想ってのが楽しいじゃんか。
 橋爪先生もこの本の内容は社会学とは関係ないと書いている。文章にわかりづらいところもあり洗練はされてないかもしれないが、書き始めたら結構感じたところがあったみたい。だんだんとマルクスが気になってきたんだよな。