びーの独り言

どこいくの?どっか。

「鉄学」概論

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

 読みたい本が溜まっているのに、つい最近買ったこの本から読み始めた。つい最近買ったのは覚えているのだが、買ったときのことを全く思い出せない。ブックファーストのカバーだから三宮かな。いずれにせよ店頭に平積みになったものを即決して買ったのは確かだ。そういう買い方は止めようと思っているのに。本の衝動買いはいい結果にならないことが多い。
 副題として「車窓から眺める日本近現代史」となっていた。著者は政治思想史の教授である。鉄道が大好きだそうだ。鉄道社会学と言うような内容だった。今までにないアプローチで面白かった。例えば、東京の路面電車の話しでは、路面電車のおかげで桜田門半蔵門がわかったのに、地下鉄のせいでこれらの地名は記号になってしまった、とか、大学が郊外で土地開発したから大泉学園成城学園などの学園という名前のつく駅がある、とか。一番印象的だったのは、阪急梅田駅の変遷だった。初めは国鉄をオーバークロスしていた、とか、今のムービングウォークを越えて阪急百貨店前がターミナルだったとか!
 鉄道がその時代ごとに与えてきた影響について書かれている。ありきたりな鉄道本ではなく、視点が新しい。この著者の他の本も読みたくなった。衝動買いもはずればかりじゃないね。