びーの独り言

どこいくの?どっか。

記憶力を強くする

 池谷先生の3冊目。2冊目を読んでびっくりした後にこれを読んでまたまたびっくりした。これは池谷先生のデビュー作だが、物凄いクオリティである。WIKIの解説では、一般人が読んでもわかりやすいが、専門家が読んでも役に立つ内容になっているとのこと。4回くらいは読んだ。もう言葉が頭に入ってこなくなったからレビューしてみる。
 記憶のメカニズムを分子レベルで説明している。驚いた。ひたすら驚いた。衝撃だった。アンビリーバブルだった。まさか記憶がそこまで解明されているとは。私はよく自分の意識や感情について考えていたけど、記憶についてはノーマークだった。どうして人は記憶することができるのだろう?そして忘れることができるのだろう?忘れたことを思い出すことができるのだろう?これらの疑問に対して、池谷先生は分子生物学的な解答を用意している。記憶は論理回路であり、そこにはタンパク質などの化学反応がある。巧妙に作られた生体内の反応に生物の奥深さ、人知を越えた何かを思わざるえなかった。最後には記憶力の良くなる薬まで登場する。まさにSFの世界だ。
 一連の池谷先生の著作はどれも驚くほど人間を深く掘り下げている。こうすべきだという行動指針を脳科学的に明らかにしているようにすら感じる。人生という方程式に身体という物理的な入れ物を代入することにより素晴らしい解を導き出している。これは人類平和のために国家レベルで応用すべきだと思う。この本に出会えてよかった。既にもう一冊買ってあり、今からとても楽しみだ。