びーの独り言

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脳の情報を読み解く

脳の情報を読み解く BMIが開く未来 (朝日選書)

脳の情報を読み解く BMIが開く未来 (朝日選書)

 2009/11/12、将軍様の代理出席でM会の別の委員会に参加した。そのときに講演されたのが川人先生だった。脳ミソに電極を指してロボットを動かすという内容であり、とても強いインパクトがあった。池谷先生の本を探しているときにこの本を見つけた。ちょっと難しいかもと思ったが、チャレンジしてみることにした。
 脳ミソに直接電極を指して、発火パターンを解析することで、行動をロボットの動きに変換することができる。直接電極を埋め込むと経年劣化するので、ヘルメットにセンサーをたくさんつけて、これを被っても命令を出すことができる。ただし、信号が弱いのでそこを工夫する必要がある。手を使わずにパソコンのマウスを動かすことができたり、図形を見せておいて脳の発火パターンから図形をコードすることができる。これを使えば、なんだってできそうな、そんな可能性を感じさせる。
 脳科学者は倫理の話には敏感なようだ。池谷先生が「因果関係はなく相関関係はない」というように、川人先生も「時間的相関があるだけで因果関係は証明できない」と言っている。池谷先生は「こうだ」ってはっきりと言い切る傾向があるが、川人先生はより慎重な立場にあるように感じる。いずれにせよ脳ミソというのはあちらこちらの協業で成り立っており、そんなに単純じゃないってことは確かなようだ。
 内容はSFみたいで面白く、今からでも大学に通って脳科学やりたいと思わせるものであった。近い将来に人間と機械の融合が起こるのかもしれない。永遠の命が手に入るのか、それともロボットによる人間の支配なんてこともあるかも。
 この本、表現をわかりやすくしようとしてるのだが、文章が硬くて読んでて少しつらかった。内容は面白かったけど、2回読んで止めておいた。他の本も気になるところだ。