- 作者: 田山花袋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1952/03/18
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 84回
- この商品を含むブログ (50件) を見る
田山花袋の著作。明治時代の作品。2作を収録してある。「布団」で、女の帰った後に布団に顔を埋めてくんかくんかした、という内容を読んだことがあった。そういうのってなんかせつなくてわかるような気がする。男ってそういう性癖があって、よく縦笛舐めるとか言うし、実際高校友人Tは椅子にほおずりしてたし(爆)。当時の文壇に大きな衝撃を与えたそうだから、きっともっと表に出せないようなすごい、ああわかるそれ、みたいな描写があるんじゃないかと気になっていた。
女の弟子に妻子ある著者が恋心を抱き葛藤する様を描いている。貞操を守らなければいけない、みたいな時代に不倫を告白したことが斬新だっただけで、太宰治、夏目漱石、三島由紀夫に比べれば、根源的な追求はなく表面的でつまらなかった。内容は自然主義といって、その名の通り平凡な日常を炙り出してるので、盛り上がりに欠けて面白くないのも仕方ないのかもしれないが、表現力自体にも疑問を感じた(比較対象が悪すぎるだけかもしれないが)。せっかく期待したのに、前述の箇所が一番のクライマックスだったりorz。エロ小説なら谷崎だろ、と大学友人Sに言われたことを思い出したw。