びーの独り言

どこいくの?どっか。

布団・重右衛門の最後

蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)

蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)

 田山花袋の著作。明治時代の作品。2作を収録してある。「布団」で、女の帰った後に布団に顔を埋めてくんかくんかした、という内容を読んだことがあった。そういうのってなんかせつなくてわかるような気がする。男ってそういう性癖があって、よく縦笛舐めるとか言うし、実際高校友人Tは椅子にほおずりしてたし(爆)。当時の文壇に大きな衝撃を与えたそうだから、きっともっと表に出せないようなすごい、ああわかるそれ、みたいな描写があるんじゃないかと気になっていた。
 女の弟子に妻子ある著者が恋心を抱き葛藤する様を描いている。貞操を守らなければいけない、みたいな時代に不倫を告白したことが斬新だっただけで、太宰治夏目漱石三島由紀夫に比べれば、根源的な追求はなく表面的でつまらなかった。内容は自然主義といって、その名の通り平凡な日常を炙り出してるので、盛り上がりに欠けて面白くないのも仕方ないのかもしれないが、表現力自体にも疑問を感じた(比較対象が悪すぎるだけかもしれないが)。せっかく期待したのに、前述の箇所が一番のクライマックスだったりorz。エロ小説なら谷崎だろ、と大学友人Sに言われたことを思い出したw。