- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
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教養として名作を読んでおこうシリーズ。大学友人Sによれば、三島由紀夫は難解だというのだが。けれど、美しいと言われるのがどうしてか知りたくて。本著は24歳の時のデビュー作。
これは異様。主人公が男にしか興味ないという設定。いわゆるガチホモだ。ホモであることを隠して生活している。だから仮面なのか。妙に過去の文献を引用してホモネタを拾ってきてたりする。前半は読んでてひたすらに気持ち悪かった。これが文学なのか?
後半は女性が出てきて、恋心かノーマルへの憧れというかで、すったもんだする。心理描写に共感を覚えて没頭してしまった。自分自身に投影するといたたまれなくなったり。内容は秘密。念のために、私はホモではないw。
太宰治や夏目漱石に自殺願望めいた記述があるのに対して、三島由紀夫もこれまた同じだった。でも、自分で死ぬんじゃなくて誰かに殺されたい、という感じ。なんだかそういうのわかる。自分で選べないから他人に決めてほしいのだ。これが三島由紀夫の特徴かもしれない。
とても読み応えがあった。心理描写が凄い。うざいくらい書き込まれている。半分くらいは何を書いてるのかわからなかったりする。文体も華麗で流れるよう。独特の世界を構築している。世間で言われるように、日本的な美しさがあるかもしれない。これはマニアックで癖になるかも。