びーの独り言

どこいくの?どっか。

2008/10/17(金)「講習④」

 講習4日目。最終日。もはやニ日酔いは確実だった。朝食も野菜と汁物しか受付けなかった。原子吸光分析(AAS)と誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)。AクンとDさんと組んだ。もはやよく知った仲だ。相変わらず検量線作成。今回は抽出作業やスパイク法が入った。抽出については分液漏斗でガシャガシャとやったことがあり問題なし。スパイク法は、既知量のサンプルを打ち、得られた回収率により検量線を補正するもの。余裕だと思ってたら、最後の計算でパニックになった。簡単な計算なのにどうしてだろうかと思ってたら、どうやら別のことばかり考えてる自分がいたようだ。優勝決定前に泣き出した清原選手ではないが、もうすぐ終わりかと思うとなんだかせつなかった。プロは結果が出てから喜ぶものである。だから、私はまだまだプロには遠いのかもしれない。16時半頃に終了。
 坐学を受けた部屋に戻り、しばらく待った。この間に今日のレポートの採点がされていた。待ち時間でAクンとDさんと話した。Dさんに「もうね、3時くらいからずっとうるうるしてましたよ」なんて話してた。隣の班が先に修了証ができあがり、一人一人に手渡された。人によってはただの資格の一つに過ぎないのかもしれないし、これから始まる人生の一歩なのかもしれない。各個人によって重みに違いはあるものの、何かの終わりであり、何かのスタートであった。続いて、私の班にも許可が出た。全員修了であった。手渡しされたとき、今後の人生の中でこの経験を生かすようにしなければいけないという義務感が湧いてきた。例えば、会社が不祥事を起こしたからと諦めるのではなく、社内で地道な活動により仲間を増やしていくとか。何かのせいにするのではなく、自分のできることをやろう。昔、社内ネットを構築したときに、一人でも何かを感じてもらうことができれば、それが成功なのだと信じてたではないか。わざわざ自発的に講習を受けに来たのだから、それを自分の力に変えていかねば。
 ついに最後、別れのときが来た。班ごとの流れ解散だったので、他の班の人とは同じになれなかった。Aクンは予定があるので先に帰った。散々お世話になったDさんとIさんに「夕食でもどうですか」と誘ってみた。OKもらったので、厚生センターの食堂に行った。いろいろと名残惜しく、20時くらいまでみっちり話しこんだ。私はこの後のことを考えてた、というのはせっかく知り合ったのにこれでお終いとは面白くなかったのだ。どうやって繋いで行こうかな。「元々本当なら出会わなかった人たちが、こうして会って話して楽しく過ごしてプラスのはずなのに、どうして別れるとなるとマイナスに考えちゃうんですかね。会いたかったら会いにいけばいい話なのに。やっぱ距離が離れると心が離れそうな気がするんですよ。」なんて、どう突っ込んで欲しいのかわからんようなことを言ったりしてた。最後、歩道で別れるときに「必ず連絡しますのでまた会いましょう。」と言うのが精一杯。いろんな人と出会えたことが嬉しかった。4日間だけでは時間が足りないように思えたが、それを意識してベストを尽くしたつもり。一期一会、縁があればまた会いましょう。
 今回の講習では、望外の喜びに溢れていた。今回使用した機器は全て初めての経験だった。学生時代に液クロで苦労したことがあり、基本的には同じではあったが、それでも坐学だけで原理を覚えるよりは、身体を動かして五感で感じることができて有意義だった。また、講師の先生方によれば、「4日間の講習で実務ができるわけではありません。人の繋がりを大事にしてください。」というところを強く説かれていた。環境計量がお客さま相手の商売であり、誠実に仕事をしていれば、やがてだんだんと評判も広がって商売として成立する。人ってのはお互いに支えあってるのだから、自分のわからないところは聞けばいいし、人に聞かれたら教えればいい。一人でやるよりもみんなの知恵を集めなさいということだろう。講師陣の熱意には頭が下がる思いだった。教育者としての信念を感じずにはいられなかった。それから、受講者のみなさんと出会えたのも大きな収穫だった。異業種の人たちとの出会いは、よく考えてみれば会社に入ってからは無かったような気がする。世の中にはさまざまな仕事があり、技術的には異なる分野ではあるものの、それぞれが抱えている問題や悩みは大体が同じようなものであることが興味深かった。また、人と話しすることで、自分の立ち位置が少しわかったような気もした。いつもどこか他人に対してコンプレックスのようなものがあったが、堂々と渡りあえるだけの知識や技は持ち合わせてるんだって自信になった。転勤でいろんなところに住んだり、18きっぷで全国を旅行したことが、ちょっとした話のネタとして大いに役に立った。まさかあんな知識が役に立つなんてってことが結構あった。今回、見知らぬ者どうしが集まって、同じ目的のために一緒に作業することで、時間と空間を共有し何かが共鳴した。その共鳴は普段の会社生活では味わうことのできないとても心地よいものだった。つまらない世の中かもしれないけど、それは自分で殻に閉じこもりつまらなくしてるだけで、求めれば得られるのだと思う。いつまでも新しいことにチャレンジしていきたい。来年は環境計量士(振動・騒音)だなw。