びーの独り言

どこいくの?どっか。

2024/09/15(日)「尾瀬沼」

 道の駅尾瀬奥只見。3時前にトイレ。スズムシは静かになっていた。515に起きた。あちこちで車のドアがバタンバタンしていた。朝食を買い忘れたので抜き。髭剃りから昨日のブログの修正。
 猛烈に尾瀬に行きたかった。尾瀬は中学校か高校の時に知ったと思う。まさに授業で出てきた。「夏が来ぅーれば思い出す遥かな尾瀬ぇー遠い空ぁ♪」、なんだこの歌はと思った。そもそも尾瀬の存在を知らなかった。調べたら湿原だった。湿原?ジメジメした沼のイメージ。ヤングな私にはどこがいいんだかさっぱりわからなかった。
 年月を経て社会人になって、私も色々なことを経験して、尾瀬がどんなところかわかるようになった。それでも、わざわざ花を見に行くために山に上るのはどうかと思った。例えば、那須ニッコウキスゲの良さはさっぱりわからなかったし、戦場ヶ原にもなんとも思わなかったし。
 最近になって、いろんなとこに行き尽くして、考えうることはやり尽くして、ネタ切れ感が漂ってきた。そこに病気だの、身体も気力も劣化してきて、仕事がやりにくくなってるのに責任だけは重くのしかかる状況となってきた。それらの複合的要因の結果、普通のところでは満足できなくなってきた。尾瀬は今まで手を出していない領域だった。こんだけ有名なのだから、きっとインパクトがあるに違いない(似たようなケースに上高地がある)。
 昨晩、調べたところによると、尾瀬には御池ロッジからバスで沼山峠に行き、徒歩1時間で尾瀬沼尾瀬沼1周は3時間だった。しかし、滑りやすいスニーカーだし、なにより食料の準備がなかった。近くにはコンビニはないし、商店は9時まで開かなかった。またトレッキンググッズを装備しとくべきだと何回も思って、ずっとスルーしていたことを後悔した。泣く泣く諦めて、来年にかけることにした。
 625、出発。国道352号線を田島の方へ向かった。
 6時半、屏風岩。川の向こうの崖に斜めになった岩の地層が剥き出しになっていた。こういうのってよくあるし、もっとすごいのも今までたくさんあった。
 645、大桃の舞台。重要有形民俗文化財。神社の中にひっそりと佇んでいた。昨日の檜枝岐の舞台は閉まっていたが、こちらはちゃんと舞台だった。歴史を感じさせたが、今も使われている感じはしなかった。
 分岐を田島の方へ行った。目的地は2時間先の大田原だった。さすがに移動し過ぎのような気がした。これはロス以外の何物でもなかった。しかも、尾瀬ほどの案件ではないし。かと言って近くには尾瀬のようなビッグネームは残されてなかった。来年また来るなんて言ってるけど、来年なんか本当にあるのか?今できないことが来年できるのか?できない理由を考えるよりもどうやったらできるかを考えるべきだ。4時間の歩きならこれまでも山登りであっただろう。何を恐れることがある?
 地元のコンビニを名乗る看板が現れた。どうせ閉まってるだろうと思ったら、開いてるやん!瞬間、これで尾瀬に行けると思った。
 720、山正商店ヤマザキショップ。コンビニの検索でひっかからなかったのは、きっとコンビニ扱いされてないんだろうなあ。おにぎりを食べたかったが、パンしか売ってなかった。あとは小さなスーパーのよう。朝食のパンと、昼食はパンを避けて高カロリーな歌舞伎揚にした。レジのおじいさんが電卓で計算した。久しぶりに1円玉をもらった。
 尾瀬を目指すことにした。Uターンして、来た道を引き返した。道の駅を越えて、ヒルクライムになった。
 805、御池ロッジ。昨日スルーした駐車場に車を停めた。こうやって見ると、随分車が多いような気がする。車の中でリュックの荷物を整理した。その辺にいる人達はやる気まんまん。サングラス、ウインドブレーカー、短パンにスパッツ、トレッキングシューズ、リュックはパンパン、両手にはトレッキングポール、熊よけの鈴がチリンチリン。私はいつもの通勤スタイル、長袖のシャツ、長いチノパン、ハンチング帽、スニーカー、かろうじてOutdoorのリュック。でも、ペッタンコ。そこはかとなく漂う偽物感w。シャトルバスのチケットは往復で1200円だった。次の便は8時半とのこと。バスは来てたけど、小さかった。そこにやる気まんまんの人達が並んでいた。私は先に膨満感のあるお腹を処理しなければいけなかった。山歩きにおいてトイレは死活問題だった。トイレに籠もった。外に出ると違うバスが待っていた。何台もあったのね。
 8時半、御池から沼山峠行きのシャトルバスに乗車。森の中の道で景色はあんまりだった。40分かかると聞いてたが、実際は20分かからなかった。降りる時に最終を聞いたら、17時だった。
 845、沼山峠。ここからスタート。目的のビジターセンターまでは50分の予定だった。まずは山道を上った。かなり整備されていた。さすが尾瀬。上りが続いた。早く下って欲しかったが、そうすると帰りの上りが長くなる。10分で下りになった。圧倒的に下りばっかりだった。帰りが心配になった。途中で何人も追い抜いた。いつも私は追い抜かれる方なのでこれは意外だった。あんまり山歩きをしない人も尾瀬には来るのかもしれない。熊よけの鈴を持ってこなかったが、他の人が絶えずチリンチリンさせてるので、なくても構わないといった感じだった。むしろ近くに人がいる目印となった。
 山が終わると、視界が広くなり明るくなった。大きな湿原が現れた。915、大江湿原。左右は林で中央に湿原が伸びていた。今までの湿原のイメージは近づいてみれば、ごちゃごちゃして汚いものだったが、尾瀬はまるで草原のような美しい湿原だった。湿原の端には木道が2本遠くまで延びていて、これぞ尾瀬という風景だった。これにはテンションが上った。木道を進むと、湿原の先に青い沼が見えてきた。尾瀬沼だった。尾瀬沼はどんどん大きくなっていった。尾瀬沼の辺に到着した。
 935、長蔵小屋売店。こんなところに売店があることに驚いた。お菓子や飲料を売っていた。コーヒーも飲むことができた。側にはトイレがあった。協力金は100円だった。
 この付近には山小屋がいくつか集まっていた。940、尾瀬沼ビジターセンター。普段面白くないビジターセンターだが、こんな車が入れないようなところにもあることに驚いた。たくさんの人がベンチで休憩していた。おばさんが「午後から雨が降るらしいから、ここで食べとこ」とおにぎりを食べ始めた。他の人達もラップやアルミホイルで包んだおにぎりを頬張り始めた。おいしそうだった。歌舞伎揚は舐めプだったか?
 950、出発。尾瀬沼を反時計回りに一周することにした。予定では3時間だった。木道は続いていたが、起伏が激しくなった。時折、尾瀬沼が見渡せた。
 1015、尾瀬沼休憩所(三平峠下)。小腹が空いたので、雨が降る前に、歌舞伎揚をバリバリ食べた。ここには尾瀬沼の説明看板があった。尾瀬沼は山体崩壊により川が堰き止められてできたものだった。裏磐梯を思い出した。裏磐梯との違いはこちらの方が標高が高いことだろう。尾瀬沼自体はこれまで見たいろいろな湖と変わらないのだが、その到達困難さと標高の高さが、レアさを際立たせていた。花が咲いてる季節だともっと美しいだろう。
 1025、出発。あまりこちらのルートは使われないのか道は荒れていた。と言っても普通に通れるのだが。特筆するようなことはなかった。同じことの繰り返し。ひたすら歩くだけ。1110、小沼湿原。小さな湿原だった。
 1120、沼尻平。ここで折り返しだった。ここからも道は先に続いていて、山を越えると2時間で尾瀬ヶ原に行けた。ただタッチアンドゴーして戻ってこれるかどうかの時間だったので、今回はパスした。尾瀬ヶ原にはたくさん山小屋があったので、泊りがけで来るのが正解のようだった。こういうところでは計画って大切だな。沼尻平ではたくさんの人がベンチに座っていた。どの人もリュックにはテントが入ってるようだった。私もベンチに座り歌舞伎揚をバリバリ食べた。ベンチに座っていた人達は尾瀬ヶ原の方に歩いていった。経験者らしき人が「この先木道がなくなるところがあります」と言った。
 1135、出発。尾瀬沼の方に戻るのは私だけだった。この辺りでは小雨がパラついてきた。木道を歩くのは変わらず、時折尾瀬沼が見えるのも同じだった。特筆すべきことはなかった。少し疲れてきた。今、年輩の人達の山歩きがブームだけど、わかるような気がした。時間はある。お金はある。健康維持にもなる。思い出に残る。それにこの時だけは日常の悩み事から離れて心は自由になる。私も段々とその年齢に近づいていた。
 大江湿原が出てきた。沼山峠とビジターセンターへの分かれ道となった。沼山峠に戻ろうとしたが、1時間トイレに行けないし、下腹部に痛みを感じていたので、ビジターセンターの方へ行くことにした。
 1220、さっきの売店の隣のトイレ。100円。トイレに行ってよかった。とても1時間は持たなかっただろう。それに外から土砂降りの音が聞こえてきた。間に合わなかったか。トイレから出たところには、合羽を着た数人が雨宿りしていた。私はいつ止むかもわからないので雨宿りするつもりはなかった。リュックの中にある荷物とポケットの中にあるものをすべてコンビニのビニル袋3枚に入れた。合羽はなかったけど、大きな折りたたみ傘があった。
 13時、出発。雨の中、大きな傘をさして沼山峠を目指した。子ども連れの3人家族の後ろを歩いた。雨は小降りになってよかったと思ったら、やっぱり土砂降りにやられた。靴の中はグチョグチョになった。でも、傘のおかげで被害は靴だけだった。毎回、靴と靴下とかも用意しなくちゃなあと思っては忘れるw。大江湿原を抜けて山に入った。ダラダラと上りの階段が続いた。傾斜は急ではなかったが、長かった。疲れたけど、前を歩く3人家族に引っ張られた。気持ち的に心強かった。途中で3人家族に千切られそうになったが、お母さんがペースダウンしたので、抜くことになった。こっちも休みたかったのに。下りになった時はホッとした。
 1350、沼山峠。バスの運転手さんたちしかいなかった。「30分後です」と言われた。しゃーない。バスで待つことにした。クタクタだった。持ってたハイチュウを一気に食べた。とてもブログを打つ気にはならなかった。
 1420、バスが発車した。いつの間にか眠っていた。
 1435、御池ロッジ。カレーが食べられるようだった。山にはカレーが似合うのはなんでだろ?カレーうどん900円。うまかった。こんだけ疲れてたら何でもうまいだろう。コーラを買った。レジに行こうとしたら、膝に痛みが走った。あわよくば明日は尾瀬ヶ原に行こうと思っていたが、到底無理そうだった。
 1510、車に戻った。コーラを飲んでしばらく休憩した後、荷物を片付けた。
 15時半、出発。冷えた身体を温めたかったので一刻も早く温泉に入りたかった。今日は頑張ったので泳がなくていいと思った。
 1550、燧の湯(ひうちのゆ)。1000円。昨日ハズレだったから、イヤな予感がしてたが、温度高目はナイスだし、露天もなかなか。外から丸見えなのはどうかと思うぞw。
 1645、出発。道の駅尾瀬檜枝岐。2日連続。ひたすらブログを打った。ずっと雨が降り続いていた。