びーの独り言

どこいくの?どっか。

2023/08/14(月)年休「支笏湖」

 苫小牧行きのフェリーの2等客室。450に起きた。意外と眠れた。もうそんなに揺れは感じなかった。昨日のブログを修正して時間を潰した。545に車へ。これからの行き先を調べた。今回のテーマは道央だった。まだ具体的な行き先を決めてなかった。
 615、係の人が窓を叩いた。目の前に車はまだいるけど、と思ったら、後ろはまったく車がいなかった。慌ててバックして前進してスイッチバックの形で下船した。曲を選んでなかったと思ったら、ミスチルの「海にて、心は裸になりたがる」がかかった。サビの部分の歌詞「きっと世界はあなたに会いたがっているよ」が最高にマッチしていた。急激にテンションが上がった。
 まずはセイコーマート苫小牧一本松店。たくさんの車が停まっていたのは、フェリーに乗ってきた車だろう。早速ベーコンおかかおにぎりを購入。久しぶりの味だった。
 635、出発。支笏湖へ向かった。苫小牧から支笏湖には明治から昭和にかけて王子軽便鉄道が走っていた。支笏湖へ向かう国道276号線は森の中を貫いていた。道沿いにはいつの間にかサイクリングロードが寄り添っていた。王子軽便鉄道廃線跡だと思われた。景色はずっと森の中で真っ直ぐだった。そのうちサイクリングロードの部分は、幅が広くなって、変な電柱が立つようになった。これは王子製紙苫小牧工場に電気を送っているものと思われた。
 三叉路になり、左に進んだ。ここでサイクリングロードは見えなくなった。そして、支笏湖温泉が現れた。
 710、駐車場。まだ時間前だったので料金は取られなかった。ここには支笏湖ビジターセンターがあった。すぐに支笏湖は見えなかったが、ビジターセンターの裏に回ると、支笏湖が広がっていた。山間に水色で静かな湖面が広がっていた。空には雲が多くて、支笏湖から見える3つの山には雲がかかっていた。
 すぐ近くにある山線鉄橋を見に行った。山線とは王子軽便鉄道のこと。元は函館本線空知川鉄橋で、王子軽便鉄道の橋に転用された。北海道最古の鉄橋とのことだった。鉄橋はトラス橋で真っ赤に塗られており、支笏湖に流れ込む千歳川を渡っていた。千歳川にはカヌーの桟橋があり、若い女性たちが支笏湖に出ようとしているところだった。水は透き通っていて底が見えた。ここで湖面に出れたら最高だろうに。女性たちがうらやましかった。
 ビジターセンターの横には王子軽便鉄道の資料館があった。開館の9時まで時間を潰す必要があった。745、近くに北海道三大秘湖の一つであるオコタンペ湖に向かった。
 すると、支笏湖ギリギリを通る道となった。「秀逸な道」と言うらしかった。こんなに湖のギリギリを通る道は初めてだった。とても景色が美しかった。ネーミングはどうかと思うが、本当に素晴らしい道だった。
 805、オコタンペ湖。灌木が邪魔して、木々の間からわずかにエメラルドグリーンの湖面が見えただけだった。北海道三大秘湖だから仕方ないか。
 まだ時間があったので、王子製紙発電所に行くことにした。支笏湖を通り過ぎて、三叉路を真っ直ぐ進んだ。バス停があり「分岐点」と書かれていた。北海道らしい適当な名前だと思った。こちらの道にもサイクリングロードが寄り添っていた。そう言えば、王子軽便鉄道は途中で分岐してたっけ?
 835、王子製紙千歳第一発電所。広い砂利の駐車場には一台も車は停まってなかった。フェンスがあり、その先は王子製紙の敷地のようだった。フェンスの中は公園として開放されていた。この発電所は明治に作られたものだった。水路にはなみなみと水が流れていた。水路の壁とかの造りはレンガを使っていて古めかしかった。水路は細長い建物の下に吸い込まれた。建物の反対側には、斜めの導水管があり、ものすごい落差で下の方に送られていた。遥か下の緑の森の中にはレンガ造りの大きな建物があった。発電所だと思われた。説明書きによれば、落差は200mくらいあるようだった。これは物凄い迫力だった。来てよかった。
 855、出発。支笏湖に戻った。905、駐車場。500円。
 905、王子軽便鉄道ミュージアム山線湖畔驛。王子軽便鉄道は1908年に開通して、1951年に廃止された。森から紙の原料となる木材を切り出し、千歳川沿いに発電所を作るための資材を運んだ。電気は王子製紙苫小牧工場に送られた。支笏湖温泉の電気も賄われているようだった。途中からは旅客扱いもした。さっきの分岐点バス停は、鉄道が支笏湖方面と千歳川方面に分岐していた地点であった。
 9時半、支笏湖ビジターセンター。展示は簡単であまり面白くはなかった。
 945、出発。千歳川には4つ王子製紙発電所があった。さっきとは別の発電所にも行ってみようと考えた。しかし、結論から書くと、フェンスが閉まっていて一般車両は立ち入れないようだった。
 そのまま千歳市内に出た。千歳駅周辺はホテルが立ち並び思ったよりも栄えていた。それらを通り抜けて東へ向かった。
 1040、キウス周堤墓群。世界遺産。砂利の駐車場ににプレハブが建っていた。遺跡は森の中にあるようだった。プレハブで無料ガイドを申し込んだ。世界遺産のところでは、どこでもやってるのかな?プレハブの中には遺跡の説明があった。周堤墓とは大湯の環状列石の土塁版で、丸いお墓だった。
 1055、おじいさんガイドさんと森の中の遺跡へ入った。周堤墓は北海道に70箇所あり、その中の半数が千歳にあるらしかった。うっそうとした森の中に土塁があった。これが周堤墓だった。横から見ると丸くはみえなかった。真ん中を掘って、掘った土で周りに土塁を作るらしかった。まるでお城のお堀みたい。実際、ずっとアイヌの城(チャシ)と考えられていた。周堤墓の土塁は何重にも重なっていた。環状列石は祈りの場でもあったのだが、周堤墓は純然たるお墓のようだった。おじいさんはとても面白い人で、森の中の植物をいろいろ教えてくれた。話していてとても楽しかった。帰り際に「そこで警察がネズミ取りしてるから」と教えてくれた。
 1150、出発。苫小牧に戻り、ホッキ貝を狙った。千歳東ICから道東道で苫小牧中央IC。
 12時半、海の駅ぷらっとみなと市場。「ぷらっとすし」。おばあさんに「外の椅子に座って待ってて」と言われて待つこと20分、もしかしてと思ったら案の定忘れ去られていたw。
 コラボセット。出来立てのクリームコロッケ、玉子焼き、ホッキ入り海鮮丼、お吸い物。ホッキ入り海鮮丼は期待通りおいしかった。おいしかったのでもやもやもチャラで。
 1320、出発。海沿いを西に白老に向かった。国道36号線はひたすら真っ直ぐで、ところどころで海が見渡せて、白い大きな波が立っていた。昨年の白糠の辺りを思い出した。
 1415、ウポポイ民族共生象徴空間。1200円。ここは2020年ポロト湖に面した敷地にアイヌ民族を理解するためのテーマパークが整備された。中には国立アイヌ民族博物館があった。
 1445、国立アイヌ民族博物館。事前に調べたところでは一部酷評されていた。歴史の改竄だの民族の浄化だの。だから少し身構えていた。
 企画展は素晴らしかった。3人のアイヌ詩人、バチラー八重子、違星北斗、森竹竹市、の生涯と業績を紹介していた。私はこの3人には以前から注目していたので、たいへん意義深かった。
 常設展の方は薄かった。わかりやすく説明するということなんだろうけど、深さがなかった。改竄だの浄化だのの批判は的外れだが、まるでファッションのようだった。これだったら国立民族学博物館函館市立北洋博物館の方が生々しかった。
 正しいアイヌの文化を伝えていくのは賛成だが、住まいや衣服や食べ物を体験した人の話では現代人にはとても厳しかったと聞いたことがある。もし本気で文化を伝えたいなら、インディアンやアマゾンみたいに居住区を作ればいいんではないか?正直既にアイヌの文化で残ってるのはもう装飾の模様だけであるような気がする。今さら狩りや漁は成り立たないでしょ?和人だって江戸時代の頃の自給自足生活は失われている。精神性も失われているのは同じだと思う。沖縄だって小笠原だって地方地方の視点の切り取り形によって、独自の文化は何かしらある。それらが時代の流れで移り変わっていくのが歴史だ。今の状態はまるで観光鉄道のSLのよう。1655、退出。
 17時半、大きい家。いくつかの住居が再現されていた。その中の一つ、現実にありえないくらいの大きい家で、イベントがあるので寄ってみた。衣装を着たおじさんが出てきた。そっからは漫談を聞かされてるような感じで、なんだか興ざめだった。「この家は皆さんが入るように大きく作られただけで実際はもっと小さいです」と言われた。お姉さんの楽器の演奏はよかった。理解が進むと言うより珍しいものの見せ物のようだった。1750、終了。
 1810、出発。登別温泉を目指した。
 1845、登別温泉温泉銭湯夢元さぎり湯。2012/12/30にバスで訪れていて、好印象だった。記録によれば、硫化水素臭に湯の花となっていた。車が停められるか心配したが、銭湯の駐車場があった。駐車場が満車でしばらく待った。19時に入場。
 入湯料は480円。シャンプーは70円。脱衣所や浴室にはまったく見覚えがなかった。確かに硫化水素臭がして白い湯船はあったが、ただ白かっただけのような?白いと何かしら効いてるような気がしてしまう?風呂上がりはずっとブログを打った。
 近くに道の駅がなかった。公衆トイレを狙うしかなかった。2055、登別地獄谷駐車場。少しトイレは離れてるけど、なんとかなるかな?めっさ静かで真っ暗だった。
 2145、登別で狙ってたところが明日休みということを知った。今夜、登別にいる理由がなくなった。室蘭の道の駅に出発しようとして、念のため公衆トイレを確認した。真っ暗だったけど、近づくと明かりがついた。いけるやん!駐車場に戻った。