びーの独り言

どこいくの?どっか。

2023/04/30(日)「小坂~函館」

 4時半に起きた。道の駅おおゆ。暗くて静かだったけど、途中から雨が降ってきて、車の天井にコツコツ音を鳴らした。また朝方は寒かった。寝袋一枚ではパワーが足りなかった。あまり眠れた感じはしなかったけど、車中泊とはそんなもんだ。
 それよりも、昨晩予約できた小坂レールバイクがダメかもしれない。仁宇布のトロッコ王国のことを思い出した。あの時直前で雨が降ってきて見送ったために、10年以上待たねばならなかった。無理してでも乗っとけばよかったと何度思ったことか。乗りたい。でも、雨はイヤ。天気予報では昼から曇りだが、今の天気ではまったくそういう感じがしなかった。キャンセルはいつでもできるようだから、様子を見ることにした。
 朝食後、昨日のブログを修正した。レールパークが開く9時まで小坂鉄道全線を探索することにした。7時、出発。
 小坂鉄道レールパークに戻ってからのスタート。昨日も通った小坂IC方面へ。やがて廃線跡が出てきた。ここの廃線跡はレールが残っているので、まるで現役の線に見えた。しばらく廃線跡と並走してると、「鉄道遺産旧茂内駅」の看板が出てきた。なんだろうか?行ってみることにした。
 735、茂内駅跡。駅の手前には手動の信号機があった。これは熱かった。廃線にあるのは初めて見たかも?信号機にはワイヤーが接続していた。駅のポイントと繋がってるのだろう。不思議なのは、ワイヤーは顔の高さくらいの所を通っていた。後で知ったのだが、これは雪が積もった時に埋もれないようにするためだった。
 駅には、駅舎やホーム、すべてが廃止した時のまま残されていた。広い構内には側線がたくさんあった。雨が降ってる中、テンションが爆上がりした。誰もいない駅を独り占めした。こういうことがあるから旅は面白い。
 小坂鉄道は貨物輸送がメインであるため、旅客中心の鉄道とは一風設備が変わっているように思えた。すべてが武骨なイメージというか飾りっけがなかった。厳しい冬の前には余計な物は不要だったのかもしれない。
 805、小坂レールバイク。プレハブの事務所には灯りがついてたけど、誰もいないようだった。車の中でweb予約をキャンセルした。
 遠くに白いドームが見えてくると、もうすぐ大館市内だった。820、給油「オカモト」。昨夏の美幌でたいへんお世話になった神ガソリンスタンド。レシートには145円/L?安すぎでは?看板を見ると159円/L。北海道でもこんな感じだったなあ。ガソリンスタンドの価格は間違いなく看板より高いものだが、オカモトはそれを逆手に取ってるようだった。いいぞ。
 8時半、小坂鉄道大館駅。JR大館駅は何度か降りたことはあるが、小坂鉄道の駅がどこかはわからなかった。実際、ナビが目的地に到着したと告げてもわからないレベルだった。バリケードで敷地に入れないようになっていて、駅と言われないとわからないような地味で小さな建物だった。
 そこからの近くに東急の青ガエルが置いてあるのが見えた。なぜ?行ってみた。「秋田犬の里」。説明書きによると、渋谷の忠犬ハチ公が秋田犬だったからだそうで。ここでもレールバイクをやっていた。
 小坂に戻った。925、小坂鉄道レールパーク。土砂降りの中、車は一台しか停まってなかった。周りの施設と合わせて三館共通で1480円。ここにもレールバイクがあった。小坂鉄道にはレールバイクだらけだ。
 ここも駅は現役のままだった。機関庫にはディーゼル機関車ブルートレインが入っていた。ブルートレインだって?ブルートレインは「あけぼの」を引き取ったようだった。大館を通ってたからだそう。廃止のちょっと前に「あけぼの」に乗ったことを思い出した。あれは素晴らしい体験だった。またディーゼル機関車の運転席に入ることができた。これは初めてかも?運転席が前向きと後ろ向きについてるのが発見だった。
 広い構内にはポツポツと車両が留置されていた。SLや貴賓車まであったのは驚きだった。小坂鉄道凄すぎない?このレールパークはもっと有名になるべき。
 レールパークを出ると、廃線跡に沿って500mほど明治百年通りと名付けられた通りが続いていた。この道沿いには明治時代に作られた建物が並んでいるとのことだった。小坂にこういうのがあるとは知らなかった。凄すぎる。
 1015、康楽館。三館共通券の一つ。小坂鉱山が作った芝居小屋。建物は明治時代に作られて、重要文化財。和洋折衷で今も現役。建物の前の道には相撲のような幟がたくさん掲げられていた。
 中に入ると木造で時代を感じさせた。売店があったので、お茶を買った。私は説明だけだったので、出し物は見ることはできなかった。開演までの間、客席に入って写真を撮ることができた。客席には座布団が敷いてあって、側面も後ろに二階席まであった。意外にも三十人くらいのお客さんがいた。
 10時半から出し物が始まるとともに施設の人の説明が始まった。説明を聞くのは私の他には1組の夫婦がいた。まずは二階席で出し物を20分くらい見学することができた。これはとても嬉しかった。宝塚みたいなレビューをやっていた。10Caratsという男性10人からなるグループで、男性のレビューは日本初だそう。ここに宝塚の娘役だった五条まいという人と、OSKの人、女優の村井麻友美(誰?)が加わった。歌も踊りもよかった。
 客席の最前列ではペンライトを振ってるおばさんが2人いた。追っかけだろうか?それ以外は空席が目立った。笑顔でキレのあるダンスと歌を歌う人と、桟敷席でじっと見てる人たちとの温度差が激しかった。私は頑張って手拍子で応援した。それがレビューの楽しみ方だ。隣の夫婦は訳がわからない風だった。ここは舞台とお客さんの距離がやたら近くて、役者さんと何度も目が合ったりした。役者さんも意識してやってるのかもしれない。この距離感は新鮮だった。まさか小坂に来てレビューを見るとは夢にも思わなかった。
 二階席から地下へ降りた。地下にはせりあがりがあった。また舞台の下には回転装置があった。2人のスタッフが棒を持って舞台を回していた。
 客席から出て、歌舞伎の演目と出演者が書かれた板が掲げられていた。フォントは勘亭流だった。勘亭流とはできるだけ黒く塗りつぶすことにより、客席が人の頭で黒くなることを願い、角を丸くすることで円満に終わることを願っている。なるほど。
 外に出ると雨は止んでいた。1120、小坂鉱山事務所。三館共通券の一つ。大きな印象的な三階建ての洋風建築。おそらく移築復原したもの。中には小坂鉱山についての説明があった。なかなか面白かった。鉱山ってひかれるんだよなあ。1215、出発。
 雨は止んだが、すっかりレールバイクに行く気持ちはなくなっていた。小坂は充分楽しんだし、今日は青函フェリーに乗るので先を急ぎたかった。黒石で焼きそばを食べるか十和田湖から奥入瀬渓流に行くかで迷った。黒石は今後電車でも行く機会があるかもしれないが、十和田湖はなかなか難しいと思った。十和田湖から奥入瀬渓流のルートは25年前にやすをとの東北旅行で行ったことがあった。今回は何を感じるか?
 1240、発荷峠第一展望休憩所。ここからは十和田湖が一望できた。雨も上がっていて、山の間に青い湖面が見えた。とても美しかった。
 十和田湖沿いの道は両側に木があって、木の隙間から青い湖面が見えた。深い青色だった。走っていてとても気持ちのいい道だった。
 乙女の像というのがあるので見に行くことにした。13時、休屋北駐車場。500円。停めた時から後悔した。せっかくなので腹ごしらえしようと思ったら、名物のヒメマスは売り切れてるようだった。早すぎでは?風が台風並みに強くて、しかも冷たかった。帽子が飛ばされないように注意した。湖面は激しく波打ち白波が立っていた。
 やっぱりお腹が減ったので「とちの茶屋」。ヒメマスがあると思ったら、「ヒメマスが不漁で、ニジマスならあります」と言われた。どうせヒメマスもニジマスも同じマスだろう。ニジマスに関してはここで捕れたかどうかも怪しいが?ニジマス刺身定食は1650円。正直、ショボかった。アレな上に高かった。これは一番ダメなパターン。そもそもあれほどますのすしを食べてるのに、何をやってんだか(違)。13時半、撤収。
 乙女の像。2人の乙女が立っていた。どうやら田沢湖の像と勘違いしたらしい?これはやらかしたなあ。正直なところ、十和田湖は最初の展望台で出落ちだった。君は北海道でも阿寒湖をほぼスルーしたくせに、今さら十和田湖に何を求めたのか?1355、出発。
 奥入瀬渓流へ向かった。十和田湖畔から横路に逸れるとすぐに奥入瀬渓流は始まった。黄緑の木々の中に渓流が流れていた。高低差がほとんどないのが、特徴だと思われた。GWだけど、そんなに混んでるとは思わなかった。ただ前の車はやたらゆっくりだった。車窓を楽しんでるんだろう。
 途中で車がたくさん路駐してるなあと思ったら、滝が出てきた。1410、次の滝の時に路駐してみた。そっからは車を停めては撮影を繰り返した。渓流に沿って長く歩いたりはしなかった。緑の中を走ってるだけでも気持ちがよかった。
 そのまま青森方面に向かった。道はどんどん高度を上げていき、周りは何かの真っ直ぐの木だらけとなり、雪が積もっていた。あちこちで雪解け水が道路を流れていた。高度が上がるとともに雪の高さが増えてきた。
 1515、酸ヶ湯温泉。ここには25年前にも来ていた。千人入れるという千人風呂があった。剣道の道場のような広さがあった。洗い場はなかった。千人風呂は混浴で、水着のようなタオルをつけたおばちゃんが何人かいた。目が悪くて薄暗いのでも、視界はもやっとしていた。江戸時代の混浴もそんな感じだったと見たことがあった。温泉は白く濁っていて硫黄の匂いがした。温泉って感じがした。
 頭を洗うために内湯の「玉の湯」にも行った。狭かった。泉質は同じだった。当たり前か。
 酸ヶ湯は積雪中継で有名だった。もうすぐ5月だというのに3.5mくらい積もっていた。これは周りと比べたら明らかに盛っている数字ということは前にツイッターでも話題になっていた。1615、出発。
 青森市内に入った。まずは青函フェリーの青森フェリーターミナルの場所を確認しておいた。20時の便までは時間があったので青森の名物を食べることにした。1705、フェリーターミナル横のファミマで検索。
 1740、「かわら」。味噌カレー牛乳ラーメン。なんだかわからないが、凄そうなことは確か。食べてみると、カレー感が強くて、カップヌードルカレー味のようだった。牛乳は若干味をマイルドにして、味噌はほとんど感じなかった。カレーが入った時点でそこそこなのは決まっていたようなもんか?1815、出発。
 1835、青函フェリー青森フェリーターミナルで受付。1855、車列に並んだ。1945、車から離れてトイレに行った。お腹が壊れていてカレーラーメンみたいだった。ニジマスかもしれない。
 2010、乗船。二等客室で寝転がりながら、ひたすらブログを打った。寝不足で本当に眠くなって、自然と1時間くらい寝ていた。020、下船。
 頑張って函館山に行くことにした。夜中だったら空いてるだろう。夜の函館の町を走るのは新鮮だった。昼間あんなに賑やかなのに、誰もいなかった。路面電車もなく、車もいなかった。この辺りは元々観光客しかいないんだろう。
 函館山をぐるぐる登っていると、夜景が見えた。何度も見ているのに息を飲むほど美しかった。早く展望台に上がりたかった。
 045、函館山展望台。寒かった。今回、すっかり防寒対策を忘れていた。夜景はこの世のものとは思えない美しさだった。また生きてここに来ることができて本当によかった。寒かったので長居できなかった。また来いということだろう。自販機で暖かい紅茶を買おうとしたら、コールドだった。疲れてるなあ。105、出発。
 もう一ヶ所函館では外せない場所があった。125、八幡坂。さすがに誰もいなかった。写真を撮ると、並木が神秘的な緑色に光っていた。
 付近で車中泊できそうな場所を探したが、よさそうなところがなかった。諦めて少し遠い道の駅に行くことにした。150、お腹が痛くなってきたのでローソン。朝食のパンを買った。
 函館新道を通った。無料の高速道路。海側に函館市内の夜景が見えた。私は電車に乗ってる時からこっちの夜景も気に入っていた。いいものが見えた。
 220、道の駅なないろ・ななえ。ほぼ満車だった。みんな考えることは同じだろう。流石に疲れ果てていてすぐに寝た。