びーの独り言

どこいくの?どっか。

2021/11/22(月)年休「神岡」

 6時半起床。朝食は昨日買っておいたパン。720に車で出発。今日は神岡を狙った。昨晩、10時からのレールマウンテンバイクを申し込んだが、正式な返事はなかった。さすがに直前の予約だと無理だったか?
 私が神岡を知ったのは小学生の頃。国鉄神岡線が走っていた。こんな山奥、一体どうなっているのだろうか?
 天気は曇りだった。国道41号線を北上。飛騨古川を抜けて、神岡の青看で右折。すぐに山道になり、前にも後ろにも車はいなくなった。そのまま走らせると、登坂車線が現れた。これがなかなか終わらなかった。日本一長い登坂車線ではないか?下りに入ると看板があった。「ここから先10kmは下りになります」。すごいな。
 青看は富山を表示し始めた。もしかして道を間違えてないか?路肩に車を停めて地図を確認すると間違っていなかった。そこでメールが来てることに気づいた。レールマウンテンバイクからだった。「仮予約を承認しました」、やったああああ!俄然やる気が出てきた。
 下りきったところに突如高架の駅が現れた。初めて見るにも関わらず、飛騨神岡駅だと思った。高架の廃線跡は狭い町の中で目立っていた。これが廃止になった時、町の人はショックだっただろうな?
 神岡の町は周りは高い山に囲まれて高原川沿いのわずかな土地に細長く形成されていた。道なりに進むと、対岸の窮屈なところに張り付くように薄汚れた工場が現れた。ドラマで悪の工場として出てきても不思議ではなかった。おそらくこれが鉱山に関連施設だと思われた。思えば足尾もこんな感じだった。
 レールマウンテンバイクの乗り場はわかりにくいと説明されていて、実際迷路みたいだった。たどり着くと、広い駅前広場には緑色のディーゼル機関車が置いてあり、その奥には奥飛騨温泉口駅があった。一気にテンションが上がった。
 奥飛騨温泉口駅は元は国鉄神岡駅であり、神岡線の終点だった。第三セクター神岡鉄道となった際に改名された。
 神岡鉄道が廃止された後に、レールマウンテンバイクが始まった。これは軌道上を電動アシスト自転車で走るものである。コースは2つあり、まちなかコースと渓谷コース。独りではまちなかコースしか乗ることができなかった。まちなかコースは奥飛騨温泉口駅から神岡鉱山駅までの2.9kmの往復だった。
 8時半に受付した。2700円。すると9時に空きがあるので乗れると言われた。喜んで9時にしてもらった。時間までは駅の写真を撮りまくった。とにかく私にとって全てが貴重だった。
 駅構内も広かった。おそらく神岡鉱山からの貨物列車が発着してたからだろう。ホームにはレールとは直角方向にレールマウンテンバイクが並べられていた。ホームからはスロープで軌道上に降りられるようになっていた。
 放送で「本日は雨が降るかもしれませんので合羽を着た方がいいです」。念のため300円で合羽を買って着こんだ。ごわごわした。
 待合室で注意事項の説明があった。10組弱いる中で私が最初に呼ばれた。おっさん独りでちょっと恥ずかしかった。
 ホームに出るとまさかの雨だった。合羽で大正解だった。レールの上にセットされた自転車はサイドカー付きだった。私が乗る自転車が右のレールの上に乗り、サイドカーが左のレールの上に乗った。リュックをサイドカーに載せた。
 ペダルをこぎ始めると、やけにスムーズに動き出した。車輪がレールの継ぎ目に当たると「ガタンゴトン」と揺れた。テンションがマックスになった。長年夢に見た廃線跡の上を走ってるなんて。何が起きてるのか信じられなかった。
 あまり漕がなくても前に進んだ。下り坂だと思われ、帰りが心配になった。三木鉄道の時はひたすら大変だったもんな。
 廃駅が現れた。神岡大橋駅だった。この駅は神岡鉄道になってから作られたものだった。当然のことながら、ホームの位置はレールマウンテンバイクよりも高かった。
 右手に高原川の渓谷が現れた。深い渓谷だった。そのままトンネルに入った。大興奮だった。
 飛騨神岡駅を過ぎてから、2つ目のトンネルは長くて、目の前が真っ暗になった。武田尾の廃線跡でトンネルが真っ暗になるのは経験済み。よく見るとバイクに貼ってる緊急連絡電話番号が蛍光で光っていた。
 神岡鉱山駅到着。ここで折り返し。駅構内は交換可能で広かった。ホームの待合室に上がった。カメラを出して、ここでも撮りまくった。待合室のホームの裏に洗車機とシャッターの降りた車庫があった。もしかして、車両が入ってる?
 帰りは順番が逆となり一番最後になった。帰りは上りになるので、ちゃんと帰れるか不安だった。行きは写真を撮る余裕がなかったが、帰りはバシバシ撮るつもりだった。すると、まさかのバッテリー切れ。ウソ!これは大ボーンヘッド!後悔先に立たずとはよく言ったものだ。
 トンネルの中では行きにはなかったLEDのイルミネーションがあった。漆黒の闇の中にLEDの光の列が続いていた。クリスマスの飾りも見えた。しかし、写真には撮れないorz。脳に焼き付けようと思った。
 ショック状態のまま、上りも問題なく完走した。ずっとスムーズで走りやすかった。おそらく電動アシストのおかげだろう。
 すっかり満足してしまった自分と、満足すればするほど写真が撮れなかったことが残念に思ってる自分がいた。いつかリベンジに来いということだろうか?
 10時、道の駅宙(スカイ)ドーム神岡。この中にはひだ宇宙科学館カミオカラボがあった。神岡の鉱山跡にはニュートリノを検出するカミオカンデがあり、ノーベル賞を2人も輩出していた。カミオカラボではニュートリノの測定について説明していた。入口の解説動画がとても凄くて引き込まれた。世界最先端で唯一無二。こういう施設って本当にワクワクする。神岡には公害の負のイメージがあったけど、今やカミオカンデにより正のイメージに変わった。
 1115、道の駅の食堂で早い昼食。昨日食べ損ねた飛騨牛があった。飛騨牛焼肉カルビ丼。普通にうまかった。これが飛騨牛かどうかわからないけど、おいしいから問題なし。
 12時、神岡に来たなら鉱山だろという事で鉱山資料館。一階のビデオからしてヤバかった。精練工程の解説は私には刺さったが、かなり理系の知識を必要とした。二階にはひたすらいろんな鉱石が並んでいた。人間最後には石にたどり着くと言うが・・・ちょっと見るくらいではまったくわからなかった。この施設は一般向けとはとても思えなかった。鉱山関係者向けでは?
 隣にあった旧松葉家。茅葺きの三階建て。合掌造りよりよほどいいと思った。誰もおらず貸切状態だったからか?
 さらに奥にある神岡城。神岡城なんて聞いたことないが?なぜか丸岡城を模した天守閣が建っていた。神岡城は一国一城令の1600年代には壊されていた。私にはその歴史上価値が見いだせなかった。
 奥飛騨温泉口駅に戻り、神岡軌道跡を探した。神岡軌道は国鉄時代神岡線ができる前に鉱山からの製品を輸送していた。怪しい線形を発見しただけで満足した。
 車で元来た道を戻り、飛騨古川へ。飛騨古川は高山の北に位置しており、最近新海誠監督「君の名は。」の舞台となったと言われている。因みに私はその映画を見たことはない。私は神岡ほどではないが子供の頃からこの町が気になっていた。14時、飛騨市役所の駐車場。
 飛騨古川まつり会館。ここも祭りなのか。例によって屋台が展示されていた。高山祭の親戚みたいな感じ。屋台の大きさは高山の方が大きいらしかった。からくり人形があるところが共通してると思った。
 瀬戸川と白壁土蔵。飛騨古川で一番有名な場所。もしかしたら、ここが「君の名は。」で出てきたのだろうか?小道の一方が用水路であり、もう一方が白壁土蔵の裏側に当たる。因みに土蔵は酒蔵である。雰囲気のいいところであるが、残念ながら写真で見たまんまだった。
 飛騨の匠文化館。行くつもりはなかったが、チケットが抱き合わせだったので。なんか抱き合わせに弱い。ひたすら木工大工の道具を展示していた。こういうのってただ置いててもどういう使い方なのかわからないんだが?Youtubeの「大工の正やん」みたいに実演して欲しい。
 車で移動して、16時、安国寺。ここは飛騨唯一の国宝らしい。しかし、事前予約が必要で諦めたorz。
 前にダイソーで買った腕時計が壊れた。高山に戻り、17時前にダイソー。でも、見つからなかった。ホームセンターバローでチープカシオ。
 昼に飛騨牛を食べたら晩に食べたいものはなかった。17時半、なか卯。こっちの方がよほどうまいんだよなあ。
 18時、宿に戻った。
 今日は午前中のレールマウンテンバイクとカミオカラボで大満足だった。皆が行くから見ておこうではなくて、自分の見たいものを見るべきだな。