びーの独り言

どこいくの?どっか。

小倉昌男 祈りと経営

 この本を買ったのはおそらく入院前だったと思う。奥付の重版情報では2017年6月の第8刷となっていた。ブックカバーを見るとジュンク堂で買ったようだ。おそらく三ノ宮だろう。店頭に平積みされていた。私には経営者の本を読み漁っていた時期があったが、飽きてしまってだいぶご無沙汰していた。ただこの人の話は一回読んでみたかった。
 小倉昌男ヤマト運輸の社長であり、宅急便を立ち上げたことで知られる。この人のことは「プロジェクトX」で知った。番組では運輸省と裁判で争ったことが紹介されていた。普通は癒着するくらい仲良くするものだが。そこに何か強い意志を感じた。
 この本は私が期待していた宅急便の誕生秘話などを扱ってるのではなく、小倉昌男のほとんど知られていなかった家庭に踏み込み、何を考えていたかを推測する内容になっている。話し自体は推理小説を読むようであった。そのようにまとめたのかもしれない。著者はこの作品でいくつもの賞を取っていた。
 私は小倉昌男の家庭を暴いて世に晒すことに何の意味があったのかと甚だ疑問に思う。本人は既に亡くなっていて、名誉を傷つけるだけにしか見えなかった。これがノンフィクションの賞を取ってるのは、著者のコネか何かではと勘ぐりたくなる。
 別に誰かがどんな家庭を築いていてもいいではないか?誰が知りたいと思うの?名経営者でも家庭はうまくいかなかったと宣伝して、ワイドショーのレポーター気取りなのだろうか?有名だからってプライベートを晒していい権利はない。
 小倉昌男の実績は、言葉ではなく、行動がすべてである。ただそれだけのことだ。そこに理由を持たせたところで何の意味もない。
 ミステリー好きにはいいかもしれないが、ノンフィクションだと逆にひくわ。