昼間雪が降っていた。横殴りの激しい雪だった。Aさんに「帰り乗せて」と頼んだ。すると、雪は止んだ。Aさんに「大丈夫みたいです」と言うと、「5時になって決めよう」ということになった。
17時にAさんがやってきて「大丈夫やな。先帰るで」と言って帰っていった。しばらくして社給のスマホに電話があった。時間外にかかってくるのは珍しかった。誰かと思い電話に出るとAさんからだった。「今すぐ帰らないと帰れなくなるぞ」と言われた。私は津波でも来たのかと思った。どうやらかなり吹雪いているみたいだった。
私は作業途中だったのでそのまま仕事を続行した。作業が終わり着替えて外に出たら、一面真っ白で驚いた。アスファルトまで積もってるやん。なんてこった！とても車は無理そうだった。
なんだかんだ駅まで歩くのは転勤の時以来だった。たまには歩くのもいいかと思った。薄暗くて寂しい夜道をトボトボ歩いた。滑らないようにひたすら足元を見ていた。雪の上に一人の足跡がついていた。私は二人目の足跡を付け足した。
三雲駅に到着した。別に駅の中が特別暖かいわけでもなかった。電車が来ると、すぐに車両に乗り込んだ。中は暖かかった。ようやくホッとした。石部で降りた時に車両がいつもの倍の長さで驚いた。石部駅から家まで再びトボトボ歩いた。
たまにはこんな日もあるよね。
