びーの独り言

どこいくの?どっか。

2021/10/30(土)「三方五湖」

 行くとこがなかった。車中泊覚悟で、三方五湖に行った。とりあえず行けばなんとかなるだろう。先のことがわからないからって、やらないのはもっといけない。11時前出発。
 琵琶湖大橋からこないだ行ったばかりの鯖街道へ。朽木新本陣を越え、こないだは右折して琵琶湖の方に行ったが、今回はそのまま山の中を直進した。
 13時半、熊川宿。重要伝統的建造物群保存地区。道の駅があるので停めようとしたら、超満車で弾き出された。こういうところがまだ粘りが足りないというか。諦めて先に進もうとすると、途中で街道筋に入れたので、車で走ってみた。今までは街道を車で走る奴、うっとうしいなあと思っていたが、自分がその立場になるとはorz。思ったより栄えていて面白そうな感じがした。道の駅に引き返しなんとか車を停めようとしたが、またしても弾き出された。仕方ないので今回は諦めて、先に進もうとしたら、熊川宿の反対側の端っこに駐車場があった。
 熊川宿は山間で開発を受けておらず、重要伝統的建造物群保存地区の中でも昔の町並みがよく残っていた。重要伝統的建造物群保存地区には、現代の建物が混ざってたり、電柱が目立ったりするとこが多いのだが、ここは舗装されている以外はまるで江戸の町並みのようだった。来てよかったと思った。心は旅行気分に上書きされた。家の前には前川という水路が勢いよく流れていた。家の前に水路が流れているのは昔の街道ぽかった。またここは他のところよりも道幅が広く、かつて行った大内宿を思い出した。
 街道が鈎型に曲がってるところで、白い乗用車が水路に左前輪を脱輪していており、右後輪が宙に浮き上げっていた。なんでこんなイージーなとこで脱輪してんだ?車の中には降りられなくなった年配の男性が閉じ込められ、周りを派手なシャツを着た亀仙人みたいなじいさんがウロウロしていた。他には誰もいなかった。私はしばらく様子を見てたけど、できることはなさそうなので、現場を後にした。これのせいでしばらく熊川宿より車の方が気になった。
 宿場館(若狭鯖街道資料館)に行った。たくさんの資料が展示されていた。細川藤孝の奥さんや伊藤忠兵衛の娘婿を輩出したらしい。かなり細かいな?熊川の建物の特徴は多彩とのことだった。平入り(軒が街道に平行)と妻入り(同直角)、厨子二階(二階が低い)と本二階(二階が高い)が乱れている。
 街道の端に道の駅があり、そこで引き返した。せっかくなので葛ぜんざいを食べた。葛もちは当たり前だけど、味がせずあんまりだった。店の中から街道を見てると、暗い室内に自然光が入ってきて落ち着く雰囲気だった。いろんな旅行でこういうのあったなあ。
 帰り道、脱輪していた車はいなくなっていた。水路を渡る石橋に真新しい抉られた跡が付いていた。ここの家の人は知ってるのだろうか?
 15時過ぎ、熊川宿を後にした。そのまま真っ直ぐ行けば、小浜だったが、途中で右折して、国道27号線へ。三方五湖を目指した。
 三方五湖琵琶湖博物館に行った時に年縞博物館のことを知って以来気になっていた。今日は年縞博物館へ行く時間はなかったけど、山の上から三方五湖を見れるらしかった。
 青看に従って国道を離れて行くと、若狭三方縄文博物館と年稿博物館があった。これはかなり見ごたえがありそうなところだった。とりあえずスルー。すると、道の駅三方五湖があった。これは車中泊に好都合だった。
 そのまま行くと右手に湖が見えた。余呉湖のように平面的だった。湖を見ながら進むと、レインボーラインの入り口があった。進んでいくと料金所が。1060円!高い!パンフレットをもらったのは初めて。運転してるのにどうやって見るんだ?レインボーラインはぐねぐねと山を急速に高度を上げて行った。路面は走りやすく、鈴鹿スカイラインのガタガタ道とは雲泥の差だった。時折、険しい山のはるか下に入江が見えた。
 16時前に第二駐車場に駐車。ここからの景色も大変素晴らしかったが、パンフレットを見ると、第一駐車場にケーブルカーがあるようだった。そちらに移動した。
 第一駐車場は賑やかだった。目に飛び込んできたのは、山頂に繋がるリフトとケーブルカーだった。運賃は900円。どちらに乗るか選べた。もちろんリフトを選択。リフトは須磨浦山上遊園以来だった。
 リフトの角度は急だった。日本海が見渡せて、とてもいい景色だった。でも、後ろを振り返るとあまりにも高いので、金玉が縮み上がった。
 頂上にはテラスが多数設置されており、若狭湾三方五湖が見渡せた。三方五湖の水面は深いブルーであり、水面は穏やかを越えて静かに思えた。年稿が形成されるには最適であるのも納得だった。山頂からの景色はいずれもとても素晴らしく、気持ちが大きくなった。本当に今景色を見てるんだよな?まるでテレビや写真の景色を見ているような感覚だった。おそらくもうここに来ることはない。この景色をきちんと頭に残しておくためにしばらくじっと見ていた。
 16時半撤収。下山もリフトを利用した。行きのことを忘れていて、金玉が縮み上がった。手すりを握りしめたら、とても冷たくてずっとは握れなかった。
 国道27号線を若狭に向かい、国道8号線に入った。こないだ琵琶湖一周した時のように途中から湖岸道路に行った。周りは真っ暗で琵琶湖は見えなかった。ただ夜の帳の中をわずかな光を頼りに車を走らせた。道はぐねぐねしていて、方向感覚は失われていた。50kmの制限速度を70kmで飛ばした。
 突然目の前に赤信号が現れた。ビックリして急ブレーキをかけたけど、交差点を通りすぎてしまった。何が起きたのかよくわからなかった。しばらくそのまま進んだけど、ショックは大きかった。こんなことは今まで経験になかった。交差点で待っていた車が後ろについた。私が悪いのでなんとも言えないところだった。その車はずっと後ろについていたように思え、だいぶ長い時間に感じられた。
 夜の運転は怖いなと思った。一瞬、他のことに気を取られると一気におかしなことになるかもしれない。年を取った影響で、注意力が落ちてるのもあるだろう。スピード出さずに、休憩しながら、乗るべきだなと思った。
 20時半頃に帰宅。楽しかったけど、いろいろ疲れた。6時間以上車に乗っていたからだろう。次からはあんまり無理しないようにしないとな。