びーの独り言

どこいくの?どっか。

2017/09/11(月)「血液」

 最近頭を悩ましていた運命の日が今日だった。もしかするとこれほどの日はこれまでなかったんじゃないかと思ったくらい。神様はなんと過酷な巡り合わせを用意したのか。ここに来て関わりたくない家族と絡まなければいけないなんて。どうなるかなんて考えなかった。ただ何があっても我慢強く冷静に対応するつもりだった。
 起床は6時半。待ち合わせしてるときに限って便秘気味だったり。トイレにこもるも中途半端。出発は7時半。初めて尼崎駅まで自転車を使った。1分1秒が惜しかった。尼崎駅で電車を待っていると便意が。2回目のトイレ。茨木駅でバスに乗ったら便意セブンイレブンが見えたので飛び降りた。停留所が病院前だったのでそのまま病院のトイレへ。ようやくスッキリした。
 阪大病院には待ち合わせの9時ちょうどに到着した。待ち合わせ場所のロビーには両親ともに来ていなかった。先に2階の受付を済ませてから、ロビーで待った。先に来たのは弟だった。もしかすると来ないかもと思っていたので意外だった。弟は「おかんは」と一言言って離れたソファーに座ってスマホをいじりだした。こちらから話かけようかとも考えていたのだが、しゃべる気はなくなった。しばらくして母親だけが来たが、父親は車を止めに行ったのでまだ後になるとのこと。2階に行くとすぐに先生が呼びにきたので、家族が遅れているので後にして欲しいと頼んだ。ようやく父親が来て家族が揃った。両親とも遅れたことを棚に上げて診察がまわってこないことに不満を漏らした。バカかと思った。
 診察室に入ったのは10時20分だった。先生は資料を見ながら説明してくれたが、正直たどたどしかった。初めて聞く人がわかるかどうか怪しいと思った。でも、うちの家族には先生が話すというプロセスが必要だった。「骨髄移植をすると100日以内に13%が亡くなられます。3年生存率は60%。だから生活に支障がない限り、すぐに移植する必要はありません。中にはそのまま悪くならないケースもありますし、これから新しい薬ができるかもしれない。まだそんなに悪くないので、このまましばらく様子を見るのがいいと思います。」。私の認識よりも希望の持てる話に聞こえた。もしかすると家族向けに前向きな話をしてくれたのかもしれない。
 弟が来た以上、血液の型を調べたかった。先生が「また来るのも大変だから今日取りますか」と言うと、弟は承諾した。検査する意志があるということがわかり一安心した。先生は血を採ると言ったが、どこかの部署に電話したら、口腔内の唾液を綿棒に採るということだった。1人4万円で2人で8万円。高いと思ったが、必要経費だから仕方がない。骨髄バンクができる前は、いろんな人に検査してもらうから家の財産がなくなったという話を思い出した。
 一旦待合室に出た。11時ちょうどになっていた。しばらくすると先生がやってきて綿棒などのキットを持ってきた。唾液は後日家で採取し、また病院に持っていくことになった。私は先生に「これ遺伝子検査と同じですね」と言うと「同じです」と言われた。その間に弟はキットを持たず帰ってしまった。バカか?
 私だけが診察室へ入り次の診察日を聞いた。12月で驚いた。やけにのんびりしてるなあ。輸血する気配もないし。逆に心配になるレベルだった。これとは別に移植チームの話を来週聞くことになった。予後のこととかシリアスな話になるかもしれない。
 両親を帰らせて、採尿と採血をした。会計に時間がかかりそうだったので院内でご飯を食べられる店を探すといろいろあった。立ち食いそばみたいな店に入って親子丼を食べた。ほとんど味がしなかった。
 会社に行ったのは14時だった。いっそ休みたかったが、病院の度に年休を使っていてはすぐになくなってしまう。それに総労働時間削減で上限が決められているので先にマイナスにしとけば後々の残業対応がやりやすい。よってフレックスとした。
 大変な1日だった。本当に大変な時は何も感じないんだな。悪いことが起きたらどうしようかと考えていたが、現実は無難に過ぎていった。不思議なことに安堵感はまったくなかった。ようやくスタートラインに立ったという感覚。果たして弟は唾液を採るだろうか?新たにそればかり心配している。結局型がどうかということが最重要なのだ。それで今後の展開が変わってくる。さてどうなることやら。