午前中、T所長に2回目の説明をした。Y本部長への説明は短い方がいいが、T所長を攻略するにはすべてのデータを説明しなければいけないと判断した。これは一種の賭けだった。｢こんなに長いのを本部長に説明する気か｣と怒られるかもしれなかったが、現世ではとてもうまくいった。もしかすると、そういう操縦術なのかもしれないし、手加減してもらったのかもしれない。途中で、落語の師匠に稽古をつけてもらってるみたいだな、とさえ思った。案の定｢このままでは長すぎる｣と言われたが、全然平気だった。ようやく少し先が見えたような感じがした。でも、｢報告書にまとめた方がいいよ｣と言われて身構えた。普段そういうこと言わないから。異動への布石かもしれない。騒ぎを起こすような奴をまつりあげるとも思えないし。あれっ？よく考えれば、このまま報告がうまくいっても、その先にはもっと地獄が待ちかまえている。だから、絶望してたのではないか？やっぱり俺はここを出ていくのがいいだろう。
とりあえず今日だけは乾杯しよう。｢百萬石｣へ。明日から頑張ろう。
