びーの独り言

どこいくの?どっか。

池上彰の新聞勉強術

池上彰の新聞勉強術 (文春文庫)

池上彰の新聞勉強術 (文春文庫)

 池上さんの7冊目、池上さんの未読が6冊も溜まっていた。少し飽きてたのだが、くだらない経済学者相手にするよりはよほど役に立つし信用できることに気づいた。
 この本は情報メディアとしての新聞の利用法について説明している。池上さんは数社の新聞を購読しスクラップしている。そのことは他の著作でも書かれていて、池上さんの大事な情報源であることがうかがえる。この本には池上さんの仕事場の写真が載せられていた。強烈な量の新聞が積み上げられており、たくさんの棚にスクラップがファイルされていた。これは情報のプロだからできる技であり、一般人には真似できないと思った。また仕事の義務感でもここまではできないと思った。新しいことを知りたい、みんなにわかりやすく伝えたい、という信念のなせる技だろう。
 私はインターネットが出てきてから新聞をあまり信用しなくなった。情報は与えられるものではなく取りに行くものであり、新聞が正しいと信用するのではなく、正しいかどうかは自分で判断するものだと思う。池上さんは新聞などのオフィシャルな情報を組み合わせればアイディアが湧くと考えているみたいだが、私はそれでは他の誰かにスピードで負けてしまうと思ってる。噂話くらいのレベルから自分の勘を信じて動かないと遅いと思う。自分の足で稼ぐことが基本というところを書いて欲しかった。
 この本では新聞記事の細かい言い回しに触れていて面白かった。「関係者」や「政府首脳」とは本人の非公式発言。「強制捜査」は「逮捕」。「一両日中」とはいつかはっきりしない状態。「いずれにしても」という言葉が出たら信用してはいけない。
 インターネット配信と新聞の関係に関する考察はいまいちかも。池上さんはネットで大まかに調べて新聞で確認すると言うが、池上さんは新聞を重視しすぎるような気がする。私はいずれネット配信がメインになると思う。私のような新製品開発をしてる者だとプレスリリースはネットで調べる。既にネットに置き換わっている分野もあると言えるのではないだろうか?
 3日で読めた。とてもわかりやすくて面白い。難しい経済の本よりよっぽどいい。この先も期待したい。