びーの独り言

どこいくの?どっか。

脳はなにかと言い訳する−人は幸せになるようにできていた!?−

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? (新潮文庫)

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? (新潮文庫)

 以前に「単純な脳、複雑な「私」」を読んだとき池谷先生のファンになった。この本もむさぼるように4回くらい読んだ。相変わらず示唆に富んでいて重要である。まるでバイブルのようだ。読むたびに新しい発見があり、フレーズに慰められ勇気付けられる。人間の人間であるがゆえの癖を脳科学的に明らかにしている。読んだときのインパクトがそれほどではなかったが、それは「単純な脳、複雑な「私」」と被っていたから。既に次の本も読んでいて、さらにもう一歩ジャンプしているのにめちゃくちゃ驚いた。しかも、そちらの方がデビュー作。そちらは次回紹介する。
 池谷先生は現役の脳科学者で東大の准教授である。私より一つしか離れていない。天才というか頭の構造が根本的に違う。圧倒的な知識と鋭い洞察。まるで人間の「答え」を知っているようだ。恐ろしい内容が書かれているのにそこに暗さはない。人間は快楽に溺れてしまう存在なのに、自己弁護して決して後悔しない。自分ですらわからない自分の感情、それはすべて電子の揺らぎ。悲しみも喜びも電子の揺らぎ。一喜一憂するのも人間だとして楽しんでしまう。人生全体に流れる何かを解説しながら、それでいて即効性の薬にもなる。池谷先生は脳至上主義に陥ってはいけない、身体があっての脳だという。きっと大切なことはどう感じるかということとは全く別にもう一つ、どう行動していくということなのだろう。
 あまりにももりだくさんで私が1日で説明できるような内容ではない。池谷先生の才能と努力の結晶を読んでいると、この本に巡り合えたことに感謝するとともに、今までの私の不摂生をただただ反省したくなる。私のブログなんてあまりにも内容がなくて意味のないものに思えてくる。そう思うのならもっと精進するしかないね。