びーの独り言

どこいくの?どっか。

微積分のはなし(下)

 大村氏の第7弾。前回の続きである。この本は、私が生まれる前の月に出版されている。著者はそのとき42歳であった。私が今から7年後に著者のようになれるだろうか。無謀かもしれないが、著者のことをライバル視している自分がいる。
 今回は微分方程式ラプラス変換テイラー展開マクローリン展開であった。院試のときに勉強したが、もはや覚えていないよ(汗)。微分方程式の解法について、変数分離形での解き方を説明した後に、ラプラス変換が出てきたときには、深い感動を覚えた。へたな推理小説よりよっぽど面白い。今回は冒頭から大村節が炸裂、「人生の瞬間瞬間の幸福は、目的関数の絶対値にではなく、その微分値に関係するようだ。それなら、微分値を一生にわたて積分した値を最大にするには、どうしたらよいだろうか?」
 毎回、感想は同じである。大村氏はその計算をすると何がわかるのかを易しく順序立てて教えてくれる。学生時代には教科書の世界だけが全てと考えていたが、あれはなんて無味乾燥な殺伐した世界だったのか。大村氏が伝えたいものは、受験勉強のための数学ではなく、実践できる魂の入った数学である。思わず教育問題までも考えさせられる。子供を持つことを許されるなら、将来読ませたいシリーズである。