- 作者: 山崎佑次
- 出版社/メーカー: 彰国社
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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今年のブックフェアで見つけてすぐに買った。西岡氏のことを知ったのは「プロジェクトX」だった。数ある話の中でも特に印象に残っていた。
西岡氏は宮大工である。日本古来の建築技法を引き継ぐ最後の存在と言われている。寺に所属し寺しか手掛けない。すべては寺への信仰心から始まる。木一本一本の癖を見抜きそれにふさわしい場所に配置する。人に関しても個性を認めその人に合ったやり方を許す。現代と違い時間のかかるやり方である。しかし、それが1300年もの間風雪に耐える建物を生み出す。仏教に起因する精神が技術の細部に繋がっている。まさに日本文化の真髄を触れた感じだ。なんのために働く?その問いかけの答えがこの本にはある。
3回読んだ。もっともっと読んでもいい。完全に名著である。最後にこういう本に出会えたのも不思議な縁を感じる。