七夕だからやっさんとは飲めないなあと思っていた。Tさんが外出でいないので、ほったらかしになっていた装置の件をまとめようかと思っていた。なんのことはない普通の一日の予定だった。
机の引き出しに健康診断結果が入っているのを見つけた。貧血どころか高かったコレステロールまで減っていた。なんのために取るのかわからないレントゲンでは心臓肥大。なにそれ?貧血を補うために心臓が頑張ってるのか?大丈夫だと思ってても、だんだん悪くなってるんだなあ。
するとSさんに呼ばれて2階の実験室へ。秘密の話があるときここで話す。3か月助っ人で四国に行って欲しいと言われた。いつか今の部署から出ていかなきゃならないんだろうなと思ってたが、よりによって四国かよ。もし、転勤を伴う異動なら辞めようかって思ってたくらいなのに。最悪の場所だと思った。四国にはカリスマと俺のことを嫌っているKさんがいる。そんなメンバーと働いてもまったくうまくいきそうな気がしないし、それより何より今まで酷評してきた連中のためになぜ働かなきゃならないのか?決めたのは絶対Gさんだと思った。Gさんが選んでくれたんだろうが、今の私にとっては完全に余計なお世話だった。どうやら立ち上げがうまくいかないから呼ばれたらしく。立ち上げなんて120%ロクでもない。夜遅くまで残業必至。休日出勤も当たり前。完全に奴隷状態。しかもカリスマの恫喝まで待ってるかも。何をするかの詳細は教えてもらえなかった。相変わらず無計画だ。3か月で何ができる?現場に慣れるだけで終わりそう。絶対3か月なんかで終わるわけない。そしてそのまま転勤になる確率が高い。こんなババ引かされるなんて自分の会社人生は最後までツイてなかったな。思わずSさんに、病気だからいつ倒れるかわかりませんよ。長くは行けませんからね、と言っておいた。もしかすると何かの役に立つかもしれない。でも、どうするか選ぶのは結局自分なんだよね。業務に耐えられないと思うなら、今が潮時なのかもしれない。とりあえず3か月行ってからまた考えますということにしておいた。それでこの場は丸く収まるだろう。そして今後のことをいよいよ真剣に考えないとな。
一日中ブルーだった。ずっと息苦しかった。血圧が上がっていたのだろうか。肥大した心臓にも負担がかかっていたのかもしれない。行く前からこんなんじゃ、3か月の猶予なんて要らなかったかもな。