びーの独り言

どこいくの?どっか。

BT'63(下)

BT’63(下) (講談社文庫)

BT’63(下) (講談社文庫)

 池井戸氏の7、8冊目。よくわからない題名と長編なので面白そうだと思った。BTはボンネットトラック、'63は1963年。
 ストーリーは、主人公の意識の中で自分の知らなかった父親の若い頃の壮絶なドラマが再生される。父親は運送会社に勤めていて、トラックBT21の周りで殺人事件が巻きおこっていく。
 一番最初に、主人公が鬱病で―「オレたち花のバブル組」でもそういう描写があったが―この設定は娯楽を求めて読んでいる私には気分がよくなかった。また私はこういう不思議系な設定が好きではない。こういう設定にしてしまうと、ストーリーがなんでもありになってしまう。また人が殺されまくるのも不快な気分になった。人が殺されるのなんて非日常もいいところだ。
 1週間くらいで読んだ。2003年に出されたので、いろいろ中途半端な部分が目立つ。ミステリーとしては中の上かもしれないが、いつもの感動を期待した私にとってはもの足りなかった。