びーの独り言

どこいくの?どっか。

憲法はむずかしくない

憲法はむずかしくない (ちくまプリマー新書)

憲法はむずかしくない (ちくまプリマー新書)

 池上さんの8冊目。題名のとおり日本国憲法をやさしく解説している。私は日本国憲法がどういうものかいまいちよくわかっていなかった。天皇が象徴であり、戦争を放棄しているくらいの知識だった。
 非常に面白かった。池上さんの本で一番面白いんじゃなかろうか。特に憲法9条の経緯と問題点がわかりやすく解説されている。私は小学校の頃から戦争をやってはいけないとたたきこまれてきた。そしてずっとそれを信じてきた。憲法では戦力を持ってはいけないのに自衛隊が存在している。自衛権がある、という解釈は憲法の後に出てきた無理矢理な解釈だと思っていた。しかし、池上さんは自衛権については憲法の制定のときから想定されていたものと解説している。その証拠に憲法では文民統制がうたわれている、軍隊がないはずなのに文民統制をうたうのはおかしいと。それから集団的自衛権についても解説がなされている。自衛隊が海外で国際貢献活動に従事しているときには外国の軍に守ってもらっているが、もしこの外国軍が攻撃されたとき自衛隊は一緒に戦うことができるか?集団的自衛権を認めてしまえば、アメリカが中国と戦争を始めたときにアメリカに援軍を送れることになってしまい戦争に巻き込まれる恐れがある。したがって自衛隊は権利としては集団的自衛権を持っているが、これを行使しない方針である。これは外国で汗を流している自衛隊の立場だとたまったもんじゃなかったりする。自分たちを守ってくれている外国軍が攻撃を受けても反撃できないのだ。今の憲法は時代にそぐわなくなっていると私は思う。普遍である部分があるのは認めるが、よりよいものを目指して絶えず見直して新しいものに更新していくべきではなかろうか?
 日本国憲法前文では力強く理想が語られているのが清清しい。ここまで理想を語っていいのかというくらい。国の根幹を成す憲法なのに「誓う」「信ずる」「思う」というあいまいな言葉が使われているのが意外だった。どうでもいいが、「日本国憲法前文の歌」が頭に流れて仕方なかったw。アイディアが秀逸だけではなく、思わずメロディーに乗せてしまうから困るw。
 1条から8条までが天皇に関することだった。今まで違和感を感じることはなかったが、今回は違和感が大きかったことに驚いた。日本人なら天皇陛下の臣下であるという意識は、昔ならおばあちゃんの家に天皇陛下の写真が飾ってあったりしたが、今の日常生活の中ではまったく感じられない。無意識ではそう思っていると言われれば、なんとも言いようがないが・・・。シンボルの重要性、それは国として必要だけど、アメリカが星条旗のように日本は日の丸でいいのかも?
 憲法は国のあり方を決めるルール、さぞかし議論したんだろうと思ったら、わずか9日で作られたことに驚いた。憲法には普遍の権利が書かれているので決まりきったパターンがあるのかもしれない。その証拠にわずか100ちょっとの条文に凝縮されていた。
 非常に面白かったので3回読んだ。読むと昔の人たちの思いが伝わってくるようで神妙な気分になる。日本人として憲法は知っておきたい。これはぜひ読むべきだ。