びーの独り言

どこいくの?どっか。

2008/08/12(火)「特許」

 やることないと言っても何かをやらなきゃいけない。やっぱり特許になる。ここには人類の知が結集しているのだ。研究者は本来頭を働かさなければいけない。
 特許は新しい発明だと認められないといけないが、これがつきつめればいい加減だ。新しい物理化学法則を発見できるわけではないから、既存の発想を組み合わせるしかないのであるが、既存の発想どうしを組合すと、「当たり前」になる。もし、内容が1という特許があって、それに0.1プラスして1.1になって、これが「当たり前」としよう。次に1.1に0.1プラスして1.2になったとしても「当たり前」だ。これを繰り返して、最後2になったとすれば、1が2になったわけだから、当たり前の積み重ねだって決して馬鹿にできない。
 うちはテーマ担当がマップから明細書まで仕上げる。テーマ担当が一番知っているにもかかわらず、知財部から「当たり前」だと言われる。これは明らかに変だ。最終判断は特許審査官がするものであり、出してみないとわからないはずだ。
 うちの業界において特許にどれほどの意味があるのだろう。特許には書く時間や出願料、登録料がかかる。この10年、特許で儲けたという話をほとんど聞かない。外を見ても中村修二氏の青色ダイオードで少し話題になったくらい。よく件数で評価するが、儲けに繋がっているかどうかではないだろうか。
 日本人はノウハウとして秘密にした。門外不出として利益を得た。たやすく人に教えなかった。また、知りすぎることは決してよいことではない。口封じに殺されることもあった。知らぬが仏と言う。権利、権利、権利、ばかり言うのは、金、金、金、と同じだ。何でも権利化するのもどうかと思う。
 破れない特許はないと言われる。数学自身の矛盾を知ってれば納得がいく。