びーの独り言

どこいくの?どっか。

ビッグバン宇宙論(下)

ビッグバン宇宙論 (下)

ビッグバン宇宙論 (下)

 上巻はビッグバンの前提であり、よく知った話がほとんどだった。下巻はビッグバン理論がなぜ支持されるに至ったかを詳細に説明している。私はビッグバンの理論的裏づけって知らなかった。知らないがゆえにいろいろな現象が計算にて証明されていることに驚きを覚えた。それどころか、理論により現象を予言し、後に観測技術の向上により裏づけが取れたりしていた。特に、宇宙全体からマイクロ波が飛んできているはずだという予測には、予測自体にも戦慄を覚えたのだが、それが実際に観測された場面は感動であった。最後に、マイクロ波の揺らぎを調べるために人工衛星を使ったというのもスケールがでかい。
 まったくもって訳者が書かれている後書きのとおりの感想だ。本書の内容は、観測で測定できる範囲のところまでしか踏み込んでいない。よって、ビッグバン以前がどうだったのだろうかというところで終わっている。最新理論天文学ではベビーユニバースやパラレルユニバースといったSFチックな概念がある。この辺はマーカス・チャウン「奇想、宇宙をゆく」に紹介されていて、それもまた面白い。
 ちょっと期待しすぎかなって思って読み進めてたのだが、やっぱり熱い期待に答えてくれた。サイモン・シンに出会えて幸せだ!